Javascript PC Emulator

Fabrice Bellard氏は5月14日(フランス時間)、ブラウザで動作するPCエミュレータ「Javascript PC Emulator」を公開した。Javascript PC EmulatorはJavaScriptで実装されたPCエミュレータ。Firefox 4およびChrome 11で動作確認がとられている。Linuxカーネル2.6.20をベースに若干の変更を加えたものがjslinuxとして公開されており、Javascript PC Emulatorの動作を確認できるようになっている。

Javascript PC Emulatorでエミュレートしているハードウェアは次のとおり。

  • 32ビットx86互換CPU
  • 8259PIC (Programmble Interrupt Controller)
  • 8254PIT (Programmble Interrupt Timer)
  • 16450 UART (ただしFIFOモードは未サポート)

Chrome 11で動作しているjslinux。Linuxの起動を確認

ユーザランドコマンドやコンパイラが動作していることを確認。TCCでCのソースコードをコンパイルして実行することもできる

viエディタを起動してファイルの編集も可能

ファイルシステムも動作

Fabrice Bellard氏はPCエミュレータQEMUの主要開発者。Javascript PC Emulatorは興味本位で開発したものだと説明がある。フルスペックで利用するアプリケーションというよりも、FPUエミュレータを備えたLinuxカーネルを動作させるための実験的取り組みという側面が強い。

Fabrice Bellard氏はJavascript PC Emulatorの活用方法として、ブラウザで動作するエミュレータとしてはもちろん、Linuxカーネルがどれだけの速度で起動するかといった部分を使ってJavaScriptエンジンのベンチマークとして利用したり、暗号処理ライブラリなどx86ライブラリの実行環境として利用できると説明している。