ブラザーは5月17日、A3カラーインクジェット複合機「MFC-J6710CDW」A4モノクロレーザー複合機「DCP-7060D」、「DCP-7065DN」、「MFC-7460DN」、および「ジャスティオ プロ」シリーズ3機種のプリンタを発表し、東京六本木で記者発表を開催した。発表会場には、同社のイメージキャラクターで女優の松下奈緒さんも登場した。

新製品は、これまでの同社の強みであるSOHO市場に加え、よりプリントボリュームの大きいビジネスセグメントをターゲットに見据えた仕様になっている。

ブラザー販売 代表取締役社長 片山俊介氏

ブラザー販売 代表取締役社長 片山俊介氏は、「今年度はブラザーの新中期戦略の初年度にあたる。ブラザーでは、2007年にビジネスブランドジャスティオを立ち上げ、販売の拡大を行ってきたが、小型でありながらコストパフォーマンスが高い当社の製品は、とくにSOHO市場のお客様に好評をいただいている。今回の新製品はお客様のニーズに応え、さらなる高機能化を行うとともに使いやすさを追求しており、プリントボリュームの大きいお客様にも満足していただけると自負している」と語った。

ブラザーの新中期戦略「CS B2015」では、これまでのSOHOに加え、その上のSMBやコーポレート市場もターゲットとしており、今後は新商品でジャスティオの拡販に注力していくという。

ブラザーの新中期戦略「CS B2015」

ブラザー販売 取締役 三島勉氏

ブラザー販売 取締役 三島勉氏も、「弊社では、これまでA4機を中心に展開してきたが、2008年秋にインクジェット方式のA3プリンタを提供し、これまで空白地帯であったA3のライトユースという新たなセグメントを創出した。今回の新製品は高機能化、高性能化、使いやすさを追求しており、今後はよりプリントボリュームの大きいお客さまに向け拡販を図っていきたい」と述べた。

そして、今回の新製品のなかで、戦略の中心となる機種がA3対応インクジェット複合機である「MFC-J6710CDW」だ。

MFC-J6710CDWでは、インクジェットの弱点であった印刷スピードの遅さをカバーするため、ヘッドのインクノズルを2.2倍に増やすことにより、従来機種に比べ、カラーは約2.6倍の毎分10枚、モノクロは約2.4倍の毎分12枚の印刷を実現している。また、大容量印刷に対応するため、インク容量をアップさせ、ブラックでは約2.5倍、カラーでは約1.6倍に増やしているほか、トレイの給紙容量も従来機の最大400枚から最大500枚に拡張している。

給紙トレイ

大容量化されたインクカートリッジ

そのほか、同社A3市場の3割を占める設計事務所での図面印刷等をより鮮明に行うため、ブラックは顔料系インクが採用されている(カラーは染料系)。

印字サンプル。顔料系インクで図面をより精細に印刷することが可能になったという

同社では、2010年度にジャスティオのA3複合機を7万台販売しているが、MFC-J6710CDWは年間販売目標として10万台を掲げている。

三島氏は、同社が行った小規模事業者を対象に行ったコスト削減に関する意識調査の結果を示し、「東日本大震災以降、これまで以上に複合機やプリンタに省エネ、節電を求める意識が高まっている。MFC-J6710CDWはインクジェットならではの低コスト、低消費電力を実現しており、コスト削減や節電を意識しているユーザーに最適な製品だ」と自信を見せた。

発表会にはイメージキャラクターの松下奈緒さんも登場