IDC Japanは、東日本大震災の影響を考慮した国内IT市場予測を発表した。それによれば、2011年は震災の影響で前年比成長率はマイナス4.5%となるものの、2012年は、2011年の落ち込みの反動などにより、前年比成長率はプラス3.5%の高い成長になるという。

国内IT市場規模 前回の予測との比較、2008年~2012年:2011年4月および2011年2月における予測(出典:IDC Japan)

同社では、2011年は政府自治体や企業は復興を最優先にし、不要不急のIT支出を後回しにしするため景気の低迷が見込まれ、企業心理や消費者心理が悪化し、設備投資や消費が減退。その結果、IT支出が抑制されるため、国内IT市場の前年比成長率はマイナス4.5%の12兆165億円となると予測。ハードウェア市場、パッケージソフトウェア市場、ITサービス市場のいずれも前年比でマイナス成長になるという。

しかし、2012年は復興需要や外需がけん引して日本経済は改善し、景気回復傾向に伴いIT支出が全般に拡大。2011年の落ち込みの反動もあり、同社では国内IT市場の前年比成長率はプラス3.5%の12兆4,327億円と高い成長を予測している。

また、今後は中長期的に東日本の電力逼迫を解決する必要があるため、スマートメーター、スマートグリッド、家庭向けエネルギー管理システム(HEMS:Home Energy Management System)などの導入が促進されるとしている。