米Googleは2月17日 (現地時間)、「Chrome 10」のベータ版を公開した。バージョン番号は10.0.648.82。JavaScript実行を高速化する機能「Crankshaft」を採用したV8エンジンの新版を搭載、またビデオ再生のGPUアクセラレーション機能を予備実装している。Windows版、Mac版、Linux版をベータチャンネルより入手できる。

Crankshaftは昨年12月のChromeイベントでGoogleが公表したJavaScriptエンジンのブースト技術で、適応型コンパイル (adaptive compilation)を用いてWebアプリの起動とピーク性能を引き上げる。V8ベンチマークスーツの総体スコアで、Chrome 10のV8のパフォーマンスはChrome 9から50%向上した。これは2008年のChromeリリース以来、JavaScriptエンジンのもっとも大きな性能改善である。

ビデオ再生のGPUアクセラレーションでは、対応ハードウエアにおいてCPUの負担を最大80%軽減できる。同機能を活用することで、高品質なビデオを効率的に再生でき、またノートパソコンのバッテリー消費の削減にもつながる。

ユーザーデータの同期 (ブックマーク/拡張機能/設定/自動入力/ブックマーク/テーマ)で、Googleアカウントへ同期できるデータにパスワードが追加された。これに伴い同機能のセキュリティが強化されており、同期データの暗号化にGoogleアカウントのパスワードのほか、任意の同期用パスワードを設定できるようになった。

同期データの暗号化に専用のパスワードを設定可能

タブとして開くようになった設定画面。左上に設定専用の検索ボックスを装備

また、設定画面のユーザーインターフェイスが刷新された。独立したウインドウではなくタブとして開き、設定ページにはそれぞれ専用のURLが割り当てられている。Chromeの使い方をサポートする際などに、設定ページのURLを渡せば、URLボックスに貼り付けるだけで当該の設定ぺージを直接開ける。また設定ページに専用の検索ボックスが設けられ、ユーザーはテキスト入力を通じても設定項目にアクセスできる。

このほか、webNavigation extension API、インストールされたWebアプリをバックグラウンドで動作させるBackground WebAppsなどをサポートする。