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Ubuntuリリースチームは2月3日(協定世界時)、4月リリース予定のUbuntu 11.04(開発コード "Natty Narwhal")のアルファ第2版を公開した。デスクトップ/サーバ版、ARMネットブック版、クラウドイメージ(UEC/EC2)のほか、派生バージョンのKubuntu、Xubuntu、Edubuntu、Mythbuntuなども同時にアップグレードされている。
今回のAlpha 2で最も注目されるのは
- OpenOffice.org 3.2からLibreOffice 3.3へのリプレース
- X.org Server 1.10とMesa 7.10
- Linuxカーネル2.6.38 RC2
といったパッケージが採用されている点だ。なおメインパッケージのほとんどはPython 2.7でビルドされている。
LibreOfficeはOracleによるSun買収後、OpenOffice.orgからフォークした主要開発者たちが作ったプロジェクト。Ubuntuはかねてより、Oracleのイメージが強くなったOpenOffice.orgからLibreOfficeへのシフトを明言しており、Red Hatなど有力ディストリビューションもこれに倣うと見られている。
グラフィックでは3DグラフィックライブラリのMesa 7.10を含んだことで、関連ドライバの多くがアップデートされている。IntelのSandy Bridgeのサポート、Radeonハードウェアの3Dサポートの改善、OpenGLエクステンションサポートの拡張、マルチヘッド機能の改善など、3D関連の機能向上に力が入れられている。
Linuxカーネルの現時点での最新版は2.6.37だが、Ubuntu 11.04α2では次期バージョン2.6.38のリリース候補第2版(2.6.38-rc2)を採用している。11.04のリリース時である4月にはカーネルも2.6.38にバージョンアップしていると思われるため、今回の採用に至ったようだ。カーネル2.6.38は、Linus Torvalds氏が絶賛したという高速化のためのパッチが組み込まれるなど、パフォーマンス向上のためのさまざまな改善が図られており、Ubuntu 11.04にもその成果が反映される可能性は高い。
Ubuntu 11.04は3月にアルファ第3版およびベータ版を出した後、4月21日にリリース候補版、4月28日に正式版を公開する予定になっている。