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故意にしろ不手際にしろ、削除したファイルを復元したいときがある。最近のOSには時間を巻き戻してファイルを復活させる機能がデフォルトで搭載されているため、この機能を有効にしておけばいい。しかし、この機能を有効にするとそれだけでディスク空き容量が減ることになる。

最近では動作速度の向上を狙って外部記憶装置にSSDを採用することも多い。SSDは高速に動作するが、HDDと比べると単価あたりのディスク容量が少ない。SSDを採用しているノートPCなどで先程の機能を有効にすると、それだけでディスクの空き容量が切迫することになる。気軽には有効にできない機能だ。また、そうした機能が搭載されていないWindows XPなどではほかの方法を検討する必要がある。

そうした場合にはリカバリソフトを利用すればいい。いくつものソフトウェアがあるが、Make Tech EaiserのHow To Restore Deleted Files Using Recuva Portable In Windows 7で紹介されているRecuvaのポータブル版が便利だ。インストールする必要がなく利用でき、設定すればラベルやメッセージも日本語になる。Recuva - Portableからダウンロード可能。

Recuvaを実行すると最初はウィザードモードで起動してくる。表示は英語になっている。あとからオプションで日本語に変更すれば、次からは日本語モードで起動するようになる。

ウィザードにしたがって対象ファイル種類や対象場所などを指定し、リカバリを実行していく。あとから詳細モードで細かく指定しながらのリカバリも実施できる。

ダウンロードしたファイルを展開すると中にRecuvaとRecuva64という実行ファイルが見つかる。片方は32ビットOS用、もう片方が64ビットOS用となっている。Windows 7でもWindows XPでも利用できる。一番最初の起動時は英語モードで起動してくるので、ひと通り実行したあとで設定を日本語モードに変更する。こうすることで、2回目以降の起動では日本語モードで起動するようになる。

Windows 7で動作しているRecuvaの例。ファイルが発見できなかった場合は「詳細スキャン」を実行する。詳細スキャンの場合、実行には長い時間がかかる。

検出されたデータ情報をチェックしているところ。可能であればチェックを入れて復元を実施する。発見されてもすでに上書きが実施され復元できないこともある。

Recuvaのスキャン機能は強力だ。削除したファイルのスキャンとリカバリはもちろん、新しいOSを上書きインストールした場合や、HDDをフォーマットした場合でも、対象となる領域からデータを探してきてリカバリを試みる。当然、データが上書きされてしまった場合などは発見できても完全に復元はできない。そのあたりは割り切りが必要だ。

Recuvaは64ビットにも32ビットにも対応している。Windows XP SP3でRecuvaを実行している場合の例。

スキャンを実施する場合、実際に削除された場所を指定しなければ意味がない点に注意が必要。ゴミ箱への移動は削除ではないため、多くのケースでゴミ箱の中身をスキャンする必要がある。

スキャンしてもファイルが発見できなかった場合には対象となるディスク全体に対して「詳細スキャン」を実施してみる。詳細スキャンには長い時間がかかるため、探しているファイルの種類がわかるならさきに限定しておいた方がいい。それでも見つからないなら、ファイルの種類は限定せずに詳細スキャンを実施する。

スキャンして探し出すのは実際に削除が実施された場所になる。エクスプローラから削除を実行しても、大抵の場合はゴミ箱に移動しているだけで、削除は実行されていない。削除したファイルをリカバリする場合、まずはゴミ箱に対してスキャンを実施することになる。