Ubuntuリリースチームは12月2日(グリニッジ標準時)、2011年4月にリリース予定の「Ubuntu 11.04(開発コード"Natty Narwhal")」のアルファ第1版を公開した。デスクトップ版、サーバ版のほか、クラウド対応版(Ubuntu Server for UEC and EC2)、派生バージョンのKubuntu、Xubuntu、Edubuntu、Ubuntu Studioについても同様に公開されている。最大の注目ポイントは新たにデフォルトユーザインタフェースとなった"Unity"だが、このアルファ第1版ではまだ部分的な採用に留まっているようだ。

Ubuntuは10月、バージョン11.04からデフォルトUIにGNOME Shellではなく、Canonical開発のUnityを採用すると発表して話題になったが、今回のAlpha 1ではデスクトップ版のみの限定的な実装となっている。Unityの大きな特徴のひとつであるアプリケーションランチャー(Unity Launcher)が利用可能になっており、よく使うアプリを常に表示させておいたりランチャーアイコンの並び替えもできる。また、動作中のアプリとランチャーのスイッチもスムースな操作感を実現している。ワークスペース機能はAplha 1ではサポートされておらず、かわりに暫定措置として画面左上に表示されるUbuntuアイコンをクリックして、アプリケーションを直接オープンするようになっている。

11.04では2つのGDMセッションを提供するとしており、ひとつはUnity採用のデフォルトであるUbuntu Desktopでこちらは3Dドライバサポートが必要になる。もうひとつは従来のGNOMEパネルを使ったUbuntu Classic Sessionで、こちらはたいていのビデオドライバに対応している。

なお、今回からネットブック版はデスクトップ版に統合されて提供される。ネットブック版ではすでにインタフェースにUnityが使われている。

グラフィックに関してはもうひとつ、11.04ではX Windows SystemからWaylandに移行するという話題もあったが、Alpha 1の段階では大きな動きはないようだ。

Linuxカーネルには2.6.37-rc3を採用している。これによりFANOTIFY、KMSとKDBの統合、AppArmorなどの機能が利用可能になっている。