チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは11月25日、モバイルデバイスから企業システムに対し高速かつ安全なアクセスを実現するソフトウェアモジュール「Mobile Access Software Blade」を発表した。

Check Point Software Technologies会長兼CEO ギル・シュエッド氏

初めに、Check Point Software Technologies会長兼CEOのギル・シュエッド氏が「2011年のセキュリティの展望」について説明を行った。

同氏はIT分野のトレンドとして「インフラにおける統合化、仮想化、クラウド対応」、「モバイル対応」、「新たなWebアプリケーションの登場」を挙げ、「クラウドベースのアプリケーションが増えており、こうしたアプリケーションや複雑な環境におけるセキュリティの確保が課題となっている」と説明した。

「適切なセキュリティインフラを構築するには、"ポリシーの徹底"、"ユーザー主体のシームレスな機能"が必要であり、これらをテクノロジーによって強化していく必要がある」

同社は今年ユーザー教育によってセキュリティを強化するツールとして「UserCheck」をリリースした。同ツールは、ユーザーが機密データを添付したメールを送信しようとすると、その旨をユーザーに知らせてデータの漏洩を防いだり、YouTubeなどのWebアプリケーションを利用しようとする際に警告を出して無秩序な利用をブロックしたりする。

さらに同氏は、「複雑化するセキュリティを解消することは可能であり、その方法はセキュリティをエンドポイントとネットワークの2種類に統合すること。もっと具体的にいうと、われわれが提供しているSoftware Bladeアーキテクチャを利用することだ」と述べた。

「単一のアーキテクチャ、管理、ポリシーを実現するSoftware Bladeアーキテクチャは、セキュリティを設計する際の目標である"安全性"、"シンプル"、"効率性"を達成できる」

セキュリティ技術を統合するSoftware Bladeアーキテクチャ

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ システムエンジニアリング本部 SE,マネージャー 小高克明氏

Mobile Access Software Bladeについては、システムエンジニアリング本部 SE,マネージャーの小高克明氏より説明が行われた。

同氏は「現在のセキュリティの課題は"通信の機密性を保護"、"ユーザーごとに必要な情報のみアクセス"、"保護されたデバイスからアクセス"、"デバイスに保存するデータの制限"となっている。こうした課題を、モバイルデバイスという観点で解決するのがMobile Access Software Blade」と説明した。

同製品はSSL VPNと暗号化技術が統合されており、モバイルデバイスから企業ネットワークにアクセスする際に容易な操作性とデータの保護を実現するとともに、統合管理とレポーティングも行う。

現時点でサポートされているモバイルデバイスはiPhoneとiPadで、デバイス側で必要なアプリケーション「Check Point Mobileアプリケーション」はApp Storeよりダウンロードしてインストールする。AndroidやSymbianなどのプラットフォームは2011年第1四半期より対応が予定されている。

同氏は同製品の特徴として「導入作業のシンプル」を強調し、ユーザー側と管理側のそれぞれについて具体例を紹介した。管理側では、ゲートウェイで同製品を有効化し、ユーザーにアクセスポリシーを定義してアクセスに必要なキーを送付するだけでよい。

ユーザーも管理者も導入が容易なMobile Access Software Blade

同製品の価格は20万円からとなっている(税別)。