CEO兼プレジデントのKon Leong氏 |
電子メールおよび電子ファイルのコンテンツアーカイブ統合ソリューションベンダの米ZL Technologiesは11月9日、日本市場向け事業戦略として11月1日付けで社員数の倍増と新オフィスへの移転を図ったことに加え、新たなカントリーマネージャーを指名したことを発表した。 同社共同創設者でCEO兼プレジデントのKon Leong氏は、「アーカイブ・eディスカバリー市場が世界的に拡大しており、日本もその例外ではない。IDCの調査では、日本のeディスカバリー関連市場は今後3年間で3倍以上に成長するものとしており、我々も大きな期待を寄せている」と語る。
同社は1999年に創立、2000年には日本市場に参入しており、大手システムインテグレータとの戦略的パートナーシップなどの下、ビジネスを展開してきた。
「我々は、これまで培ってきた米国および日本での成功を足がかりに、日本市場への投資を早めた」(同)とし、オフィスの移転と人員の増加と併せて、新たなカントリーマネージャーを任命し、より積極的に日本でのビジネスを行っていくことを強調した。
同社の提供するeディスカバリーソリューションのイメージ(左)。各所に分散したデータも1つのソリューション上で収集することが可能。右は同社の概要。Oracleなどは自社製品上にOEMとして同社のソリューションを搭載して提供している |
11月1日付けで日本のカントリーマネージャーに任命された下和田豊氏 |
新たにカントリーマネージャーに任命されたのは下和田豊氏。同社入社以前はマクニカネットワークスに勤務、直近ではVice President,new Product and Promotionとして新製品戦略・拡販部門の責任者を務めていた。また、米シリコンバレーに本社を構える北米および日本におけるIT関連のスタートアップに対する投資を行うベンチャーキャピタル「Entrepia」のシニア・パートナーとして投資活動も行ってきた。
下和田氏は、「米国では連邦民事訴訟規則(FRCP)により、訴訟に対する電子文書の保存、提出が求められるようになっている。もれなく、すべてのデータを集めて提供する必要があるが、さまざまなシステムを活用していると、どうしてもデータの抜け落ちが生じやすい。すでに一部の裁判でデータの一部が後になって見つかって、遅れて提出するということで罰金の支払いも発生している」と指摘、そうしたリスクは日本企業と言えども、米国でビジネスを行う上では回避できない問題であり、我々のソリューションを活用することで、そうしたリスク軽減が可能となると説明する。
同社の提供するソリューションの特徴は、「グリッド技術によりクラウドや仮想化への対応によるスケールアウトが可能なほか、10億のドキュメントを1秒で検索することが可能な、かつコンセプトサーチやプロキシメトリサーチなどの高速検索性能」であり、それらを武器に、米国で事業を行っている企業の中でも特に大企業(連結で1万人以上、単体で3500名以上の従業員)や訴訟リスクの高い企業に向けてソリューションを提供し、2014年には25億円の売り上げを目指すとする。また、下和田氏は「この売り上げ規模は、日本のEディスカバリ市場の約5%程度であり、これをパートナーであるNTTデータセキュリティならびにネオアクシスと協力してビジネスを行っていく」と抱負を語っている。