マカフィーは10月26日、仮想環境向けセキュリティプラットフォーム「McAfee MOVE (Management for Optimized Virtual Environments)」をベースとしたソリューションの第1弾として、「MOVE Anti Virus for Virtual Desktops」(以下、MOVE AV for Virtual Desktops)と「MOVE Anti Virus for Virtual Servers」(同MOVE AV for Virtual Servers)の提供を開始したことを発表した。

「McAfee MOVE」は複数の仮想化環境(ハイパーバイザ)に対応するセキュリティソリューションであり、現時点ではVMwareとCitrixの環境に対応する(マイクロソフトのHyper-Vにも対応予定)。また、パートナー企業に対してAPI提供が行われることも特徴となっており、独自の仮想環境を開発・提供している国内のベンダーに対しても、同技術の採用を呼びかける。

仮想環境向けセキュリティプラットフォーム「McAfee MOVE」の概要

今回提供が開始された仮想デスクトップ環境MOVE AV for Virtual Desktopsは、ハイパーバイザ上で稼働させる仮想マシンの集積密度(台数)を向上させることが開発の狙いとされており、各仮想マシンにはスキャンエンジン(ソフトウェア本体)をインストールするのではなく、エージェントがインストールされる。スキャン作業は、仮想マシンから独立した「MOVE AV Server」が実行することで仮想マシンのオーバーヘッド(負荷)を軽減する仕組みとなっている。

「MOVE Anti Virus for Virtual Desktops」の仕組み

MOVE AV for Virtual Desktopsは別売の統合管理ソリューション「McAfee ePolicy Orchestrator」との連携により、セキュリティポリシーを一元的に管理することも可能。

また、仮想サーバ向けの製品となるMOVE AV for Virtual Serversは、管理対象の仮想サーバが高負荷になっている場合、自動的にスキャンのスケジュールを延期するといった動的なスケジュール管理が可能となっていることが特徴となっているほか、仮想サーバからは独立した「VSE for OVI(Offline Virtual Image)」によるオフラインでのイメージスキャンにも対応。「1日約1万、1ヵ月で約30万も増加しているマルウェアのスキャンは(リアルタイムで実行すると)システムに相当負荷をかけることになるが、これによって稼動中の仮想サーバのパフォーマンスを犠牲にすることなくスキャンを実行できる」(同社 SE本部 シニアエンジニア 二宮秀一郎氏)とされている。

なお、MOVE AV for Virtual ServersもMcAfee ePolicy Orchestratorとの連携が可能となっている。

「MOVE Anti Virus for Virtual Servers」の概要

「MOVE Anti Virus for Virtual Servers」のスキャンスケジュール設定画面

仮想サーバが高負荷状態の時はスキャンを自動的に延期することが可能

別売の「McAfee ePolicy Orchestrator」との連携による一元的なポリシー管理も行える(画面は「ダッシュボード」を表示した例)

MOVE AV for Virtual Desktopsの価格は1ライセンスあたり2,520円(最低ライセンス数11)で、対応する仮想化環境はCitrix XenDesktopとVMware View。仮想デスクトップOSはWindows XP SP2以降(32bit)とWindows 7(32/64bit)に対応する。

MOVE AV for Virtual Serversの価格は1ライセンスあたり5万400円で、対応する仮想化環境はCitrix XenServer 5.5とVMware vSphere 4.0(マイクロソフトのHyper-Vにも対応予定)。仮想システムとしてはWindows XP/Vista/7、Windows Server 2003/2008/2008 R2に対応する。

なお、ライセンス料にはいずれも初年度サポート料が含まれる(価格はいずれも税込)。