ベンキュージャパンは8日、プロジェクタと液晶ディスプレイの新製品展示会を都内で開催した。中心となっていたのはプロジェクタで、今回発表された3製品だけでなく、参考として発売予定の新製品も展示されていた。日本での投入が予定されている電子ブックリーダーにも注目だ。

新たに発表された3機種のプロジェクタ

プロジェクタの新製品は3機種で、本体からスクリーンまでの距離が短くても大画面を投射できる短焦点モデルなのが特徴。「MS612ST」は主に個人ユーザーを対象としたモデルで、HDMIの搭載や長寿命の光源など、コストパフォーマンスに優れる。

「MW811ST」と「MS612ST」は主に企業や学校をターゲットにしたモデルだ。外観は同じだが、画素数や輝度、光源の明るさと寿命、一部のインタフェースなどに違いがある。

上記の3モデルとも、オプションの3D専用メガネを使うことで、DLP Link方式の3D立体映像に対応できる(3D映像の再生装置と3Dコンテンツは別途必要)。

オプションの3D専用メガネによって3D映像の立体視にも対応できる

未発表のモデルは、ミラー方式の短焦点モデル「MX880UST」と、デジタル白板に対応した「MP780ST」だ。

MX880USTは焦点距離が非常に短く、本体とスクリーンの距離が1m以下でも100インチクラスの大画面を投射できる。プロジェクタとスクリーンの設置に制約がある会議室などに適している。

ミラータイプの「MX880UST」は短い投射距離でも大画面を実現できる

MP780STは学校現場の導入を想定したモデルだ。充電式の専用ペンデバイスを使ってデジタル白板に「書く」ことで、画面を投射しているPC側のアプリケーションに同じ描画操作が反映される。現状では、PC側のアプリケーションが日本語に未対応とのことで、日本における今後の展開も未定だ。

デジタル白板に対応した「MP780ST」

液晶ディスプレイのキーワードは「VA LED」

液晶ディスプレイの展示は、すでに発表済みの「VW2420H」と、近日に発売予定となっている「EW2420」だ。どちらも24型ワイドで解像度が1,920×1,080ドットとなり、LEDバックライト + VAパネルを採用している点が大きな特徴。

VW2420Hは電源がACアダプタの薄型モデル、EW2420は電源内蔵の高機能モデルだ。EW2420はスピーカーも内蔵し、HDMI×2、DVI-D、D-Subというインタフェースを備えたマルチメディア指向となっている。

最新のVA LEDモデルと従来のTNパネルモデルを比較展示。VA LEDモデルのほうが視野角が広い。消費電力の比較も行われ、蛍光管バックライトの従来モデルより、最新のVA LEDモデルのほうが省電力だ

電子ブックリーダーの「K60」

参考展示では、電子ブックリーダーの「K60」が注目を集めていた。Eインクの電子ペーパーパネルを採用し、OSはLinux、メモリは2GB、電子ブックの対応フォーマットはEPUBだ。そのほか、PDFや画像の表示、MP3再生に対応する。

K60は中国と台湾で発売済みだが、生産が追いつかない状態という。日本では2011年の発売を目指しており、Wi-Fiモデルと、Wi-Fi + 3Gモデルが用意される予定。価格はWi-Fiモデルでおそらく20,000円前後になるようだ。

日本でのテストケースとして、K60のカスタマイズモデルが一部の病院で導入されている。K60の電源を投入すると、毎日新聞のサーバーから最新の記事をダウンロードして表示する。患者さんからはなかなか好評とのことだ。

日本では2011年に発売予定の電子ブックリーダー「K60」。Eインクの電子ペーパー画面は文字が読みやすく、フォントサイズも柔軟に拡大縮小できる。本体は小型軽量で片手でも持ちやすい