7月8日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2010年度6月の全国企業倒産の集計結果が発表された。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では1,085件/2,837億2,300万円、商工リサーチの発表では1,148件/2,838億4,600万円となっている。

帝国データバンクの調査結果

2010年6月の全国企業倒産の件数は、前月(879件)比で23.4%の増加となったが、集計基準変更後で最多となった前年同月(1,294件)に比べて16.2%の減少となった。10ヵ月連続で前年同月を下回ったが、2010年3月以来、3ヵ月ぶりに件数が1,000件を超えた。

2010年6月の全国企業の負債総額は前月(3,044億8,100万円)比で6.8%の減少、前年同月(4,744億7,200万円)比で40.2%の大幅減少となり、5ヵ月連続で前年同月を下回った。負債額トップは、ロケット製造のギャラクシーエクスプレスの229億200万円。

全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク

業種別では、7業種中6業種で前年同月を下回った。特に、建設業(310件、前年同月比16.7%減、62件減)、製造業(145件、同24.1%減、46件減)、卸売業(135件、同32.8%減、66件減)の3業種は、前年同月より40件以上の大幅減少となった。一方、小売業(185件、同1.7%増)は唯一前年同月を上回った。

地域別では、9地域中8地域で前年同月を下回った。北陸(29件)は前年同月比40.8%の大幅減少となったほか、北海道(27件、同30.8%減)、近畿(269件、同30.5%減)、九州(74件、同32.1%減)などで減少が目立った。一方、中部(132件、同5.6%増)は唯一の前年同月比で増加し、関東(440件、同0.2%減)はほぼ横ばいとなった。

商工リサーチの調査結果

2010年6月の倒産件数は、前月(1,021件)比で12.4%の増加となったが、前年同月(1,422件)比では19.2%の減少と、11ヵ月連続で前年同月比減少となった。

2010年6月の負債総額は、前月(3,312億7,500万円)比で14.3%減少、前年同月(4,771億円1,600万円)比では40.5%の大幅減少となり、5ヵ月連続で前年同月を下回った。特に、負債100億円以上の倒産は4件(前年同月8件)にとどまった。しかし、「不況型」倒産の月次倒産における構成比は過去2番目に高率の83.6%を占めたという。

全国企業月次推移 資料:商工リサーチ

産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、8産業で前年同月に対して減少した。増加したのは、農・林・漁・鉱業と金融・保険業の2産業。

減少率は、上から不動産業が40.9%(66件→39件)、卸売業が31.2%(205件→141件)、製造業が22.3%(237件→184件)、運輸業が18.7%(48件→39件)、建設業が18.5%(389件→317件)、小売業が12.3%(146件→128件)、サービス業他が11.3%(272件→241件)、情報通信業が11.3%(53件→47件)となった。

地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区すべてで前年同月比を下回った。