富士通は4月26日、大平洋金属の会計システムを共同で構築し、本システムを稼働させたと発表した。

同システムは「GLOVIA smart会計」と「Interstage Information Integrator」を基に構築され、管理帳票作成システムや販売・発注・検収システムが連動する。具体的には、「Interstage Information Integrator」を使って大平洋金属 経理部門のデータ収集から集計に至る一連の業務を定義化し、システムに取り込む仕組み。これによって業務の属人性を排除し、経理業務の効率化と精度の向上を実現するという。

大平洋金属では従来、会計に関する各部門のデータ収集・集計作業を経理部門の担当者が手作業で行っていたため、集計表の作成などに対する作業負荷や決算の早期化、内部統制への対応などが課題になっていた。

「Interstage Information Integrator」は、富士通が2009年4月から提供を開始したデータ収集・統合ソフトウェア。大平洋金属では同ソフトの導入によって、それまで約1日を要していた総経費集計表の作成を約1.5時間まで短縮したほか、月次決算処理についても、従来より約3日間短縮させることができたとのことだ。

同システムはExcelベースのシステム設計・運用定義情報シートである「デザインシート機能」とユーザー固有のアプリケーションを取り込んで一元管理する「プラグイン機能」が特長となっている。とりわけ「変更」への容易な対応は大きなポイントとされており、業務運用や会計科目、各部門の担当者といった要素に変更が生じた場合、「デザインシート」を修正するだけで変更を反映することができるため、専用のSEが不要となり運用コストを抑制することが可能となっている。

大平洋金属は、ステンレスの主原料となるフェロニッケルのトップメーカー。

大平洋金属の「全社業務部門連動型新会計システム」のイメージ図