Pingdom is a company founded by Sam Nurmi. Sam Nurmi is also the founder and previous CEO of Sweden’s biggest web hosting company, Loopia, which he sold in 2005.

HTML5とCSS3の策定はWebデベロッパやWebデザイナにとって朗報だ。優れたデザインやコンテンツを、これまでよりも軽い労力で実現できるようになる。しかし、現実はそれほど甘くない。日を追うごとにサポートすべきブラウザは多様化しつつあり、IE6とIE7のサポート、HTML5/CSS3をサポートしているブラウザとしていないブラウザ、そのほか細かいサポート状況の違いは悪夢といえる状況にもなりつつある。

こうした多様化の原因は古いブラウザが使われて続けていることにある。どのブラウザもそれぞれ違ったアップグレード戦略を持っており、アプローチのしかたも移行の状況も違っている。このあたりの状況がThe modern browser wars: How well Firefox, IE and Chrome succeed in getting their users to upgrade - Royal Pingdomにまとめて掲載されている。データソースとして使われたのはStatCounter。どのブラウザがどういったアップグレード状況にあるのか一瞥してわかり、興味深い。

IEバージョン推移 - The modern browser wars: How well Firefox, IE and Chrome succeed in getting their users to upgradeより抜粋

Firefoxバージョン推移 - The modern browser wars: How well Firefox, IE and Chrome succeed in getting their users to upgradeより抜粋

Chromeバージョン推移 - The modern browser wars: How well Firefox, IE and Chrome succeed in getting their users to upgradeより抜粋

Safariバージョン推移 - The modern browser wars: How well Firefox, IE and Chrome succeed in getting their users to upgradeより抜粋

Operaバージョン推移 - The modern browser wars: How well Firefox, IE and Chrome succeed in getting their users to upgradeより抜粋

ユーザを新しいバージョンに移行させることをよしとするなら、もっともうまくいっているのはChromeということになる。Chromeはユーザに確認することなく背後で強制的にアップグレードを実施する。WebデベロッパやWebデザイナからすればChromeは理想的なブラウザだ。サポートすべきバージョンはだいたい常に最新版になり、最新の機能も活用できる。

逆にもっとも移行が緩いのがIEだ。Microsoftは世界最大のOSベンダであり、抱えているユーザは桁違いに多い。エンタープライズや機関のデフォルトブラウザになっていることも多く、Chromeのようにアップグレードを強要する方法は採用しにくい。それ以外のメジャーブラウザはそれぞれIEとChromeの合間にあるような状況にある。

Chromeのアプローチは開発者やデザイナにとってみれば都合がよく、セキュリティの面からも適用が早いという面では都合がいい。しかしユーザに制御する権限がなく、強制的にアップグレードが実施されることには議論の余地がある。今後、どういった方法が主流になっていくのか、現状のまま複数のアップグレード方法が混在したままになるのかは不透明な状況。