米シトリックス・システムズは4月6日(日本では4月7日)、NASAが立ち上げたネットワークシステム「Crew Support LAN」に同社のデスクトップ仮想化技術「Citrix XenDesktop」やWAN最適化装置「Citrix Branch Repeater」が組み込まれていることを発表した。同システムは宇宙滞在中の宇宙飛行士からのTwitterによる"つぶやき"(ツイート)にも利用されており、4月8日の野口宇宙飛行士によるつぶやき「ドッキングなう!」や、山崎直子宇宙飛行士からのつぶやきも同システムを介してリアルタイムで地球に届けられる。
同社によると、現在国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の宇宙飛行士は、Citrix XenDesktopによる仮想デスクトップ機能によって、地上で使い慣れたWindowsデスクトップ環境にアクセスすることが可能となっており、Branch Repeaterを組み合わせることで、高速かつセキュアな通信が実現されているとのことだ。
従来は地上と宇宙の通信における帯域幅やデータ転送処理の待ち時間、遅延といった問題があったため、宇宙からの"つぶやき"は、直接Twitterにアクセスするのではなく、いったん地上にメール送信され、地上のNASA職員が手作業で処理を行った後で、ツイートした宇宙飛行士の家族に届けていたという。
しかし、上述の2つのソリューションを組み合わせることで、宇宙飛行士自身が個人のメールアカウントやTwitterなどのパーソナル通信ツールに直接アクセスし、自由なWebブラウズができるようになった。これによって"つぶやき"のリアルタイム配信も可能になったとのことだ。
同社は今回のプロジェクトについて、「長期間のミッションに従事している宇宙飛行士の生活の質を向上させるための幅広い取組みの一部であり、閉鎖環境内での生活による孤独感を和らげることを目的としている」とコメントしている。