三洋電機は、報道関係者を対象に、同社の空気清浄機などに使用している電解水技術の最新動向について説明した。
三洋電機の電解水技術は、空気清浄機で採用されているウイルスウォッシャーに活用されており、花粉や浮遊菌、ウイルス、悪臭物質といった、さまざまな物質に対し抑制効果があることが公的研究機関を通じて証明されている。
三洋電機研究開発本部エコロジー技術研究所・井関正博部長 |
三洋電機研究開発本部エコロジー技術研究所・井関正博部長は、「電解水技術は1987年に発売したカップ自販機用電解除菌装置に採用して以来、水と空気の浄化において、商品展開を広げてきた。ウイルスや浮遊菌、アレル物質などのほか、ニオイに対する効果も大きい」としたほか、「とくに、機器を導入後、電解水技術がニオイへの効果を実感しているという声が多い。家庭用空気清浄システム購入者のアンケートによると室内空間のニオイが消えた感じがするとの回答が45.3%、室内のファブリックについたニオイが消えた感じがするとした回答が17.0%に達し、業務用空気清浄システムを導入したワーナー・マイカルでは、空気がキレイで快適との声が多い。ポップコーンのニオイの抑制や、高齢者が多い映画のスクリーンにおけるニオイのリセット効果が高いなどの実績も出ている」として、今回は、ニオイに対する効果について時間を割いた。
三洋電機研究開発本部エコロジー技術研究所環境システム研究部・中田祐志氏 |
国家資格である臭気判定士の資格を持つ三洋電機研究開発本部エコロジー技術研究所環境システム研究部・中田祐志氏は、「嗅覚を刺激する化学物質は数10万種類に達し、ニオイとは複数の化学物質の組み合わせである。このなかで有害なニオイの除去、脱臭により、健康で安心な生活空間を確保することが大切である」と前置きし、「電解水技術は迅速な溶け込み、分解による脱臭効果を実証。さらに電解水濃度を上げることによる分解脱臭のスピードアップを実現できることもわかった」という。
家庭における脱臭技術としては、活性炭などを用い臭気成分そのものを吸着剤に固定する物理脱臭法、オゾン分解処理や電解水などを活用した化学反応により無臭化、臭気を弱い成分に変える化学脱臭法、芳香剤などを利用し、臭気物質を包み込み、臭気成分を感知できなくする感覚的脱臭法がある。
中田氏は、「電解水技術を使う化学脱臭法は、ニオイ物質を分解することで無害化が可能になる一方で、適切な使用条件の選定が必要になる」などと説明したほか、「除菌電解ミストによる試験では、アンモニアでは除菌電解ミストと水ミストとの減衰能力にはそれほど差ないが、メチルメルタプタンでは水ミストが自然減衰と変わらないのに対して、除菌電解ミストの効果がはっきりと表れている。また、除菌エレメント方式では、2mg/Lに比べて、10mg/Lの方がメチルメルカプタン、硫化水素においても脱臭効果がある。この結果を受けて、昨年秋投入した製品では、分割脱臭パワフル脱臭モードを搭載して、脱臭効果を高めた」という。
同社のウイルスウォッシャー機能は、中空間~大空間までの業務用清浄システムは除菌エレメント方式と、小型用~家庭用の家庭用空気清浄機およびポータブル空気清浄機に採用している除菌電解ミスト方式の2種類がある。
家庭用空気清浄機の導入後のアンケート結果では、ニオイのほかにも、空気がきれいになった実感があるとの回答が35.9%、ほとんど風邪をひかなかったが35.9%、アレルギー症状が軽減されたが15.1%などの結果が出ている。
一方、同社では、3月11日、流通商社、販売店向けの新商品展示会「SANYO カンファレンス 2010」を、東京・上野の三洋電機東京ビルで開催。eneloop bike、eneloop universe、HIT太陽電池、ウイルスウォッシャー機能搭載商品、冷凍冷蔵庫「&Smart」、デジタルムービーカメラ「Xacti」、ICレコーダー「Xacti」など、2010年春夏の新商品を一堂に展示した。