IHIは3月3日、米ボーイングと航空機電源用の再生型燃料電池システムに関する共同研究を行う契約を締結したと発表した。両社は、2013年までに旅客機用厨房設備などに電力を供給する補助電源として、同システムを実際の航空機に搭載し、実証試験を行う構え。

再生型燃料電池は、発電機による発電能力の余裕分を活用して水を電気分解して水素と酸素を生成・保存し、電力が不足する時に蓄えていた水素・酸素を使って発電する。したがって、再生型燃料電池を利用することで、航空機の発電機による発電量低減や電力システムの小型軽量化が可能となり、燃料消費量を削減できる。これが、ボーイングが航空機分野で実施している環境への取り組みに対し、IHIが貢献する部分だという。

両社は今後、再生型燃料電池システムのプロトタイプを試作し、2010年から2011年の間に地上での技術実証試験を行い、2013年までには、ギャレー(旅客機用厨房設備)などに電力を供給する補助電源として実際の航空機に搭載し、実証試験を行う予定である。

同研究は、経済産業省が公募した「航空機用先進システム基盤技術開発(航空機システム革新技術開発9」で採択されたプログラムも活用しながら進めていく。