米Adobe Systemsは2月15日(欧州時間)、現在スペインのバルセロナで開催されているMobile World Congress (MWC) 2010においてLiMo Foundationへの参加を発表した。LiMoはAndroidや、同日にNokiaとIntelが発表したMeeGoプラットフォームと並ぶ、Linuxをベースとしたモバイル向けOSプラットフォームの1つ。
AndroidがGoogleを中心としたOpen Handset Alliance (OHA)によって開発されているのに対し、LiMoの開発を主導するLiMo Foundationの参加メンバーの中心はNEC、パナソニック、NTTドコモといった日本メーカーが多い点が特徴となる。最新機能を持った携帯電話の開発で必要となる多額のコストを持ち合い、携帯ソフトウェアのコアとなる本当の意味でのOSを開発するのが狙いとなる。携帯OSの名称を前面にプッシュする他の陣営とは異なり、メーカーが個々にカスタマイズしてOSを採用するスタイルを採っているため目立たないが、対応端末はすでに2008年ごろから順次リリースされており、先日は最新バージョンのLiMo R2を発表、Samsungなどから最新の対応端末が発売されている。
今回AdobeがLiMo Foundationに参加したことで、こうしたLiMo端末からFlashが利用できるようになることが第1のメリットとなるが、同時にFlashのコアがLiMoに移植されることで、Adobe CS5といった最新の同社製オーサリングツールを用いてLiMoスマートフォン向けアプリやUIの開発が可能になる。またAdobeにとっては、同社が運営するOpen Screen Project (OSP)推進のうえで、対応プラットフォームを増やすというメリットがある。Adobe参加後のLiMo Foundationにおける最新情報は、同開発者サイトにて順次アップデートされていくとみられる。