エリアビイジャパン、きっとエイエスピー、日本ユニシス、マジックソフトウェア・ジャパン、ユニアデックスの5社は、12月1日に「SaaS パートナーズ協会」を設立すると発表した。
協会では、SaaSサービスの流通体系を構築し、きっとエイエスピーが提供するSaaSアプリケーションを提供するプラットフォーム「KSDN (KitASP Service Delivery Network)」を共通基盤として、SaaSの販売を行っているストア向けに、SaaSアプリの提供を仲介する。
そのほか、リセラーの育成支援、SaaS参入を目指すソフトウェアベンダー支援、ユーザー向けの導入支援などを行う
SaaS パートナーズ協会が考えるサービス基盤では、協会自身がアプリケーションを提供するのではなく、協会はあくまでサービスプロバイダが自社のデータセンター(DC)で提供するSaaSアプリをSaaSストアに対して仲介する役目を担う。また、自社でDCを持てないような小さなソフトベンダー向けには、サービスプロバイダへの仲介も行う。
KSDNには、アプリケーションを配信する機能のほか、非SaaS型アプリをSaaS型アプリに変換する機能、ユーザ管理、サービス管理、アクセス管理、課金などの機能を持ち、Windowsアプリを変更なしでインターネット配信出来る。UNIXアプリやLinuxアプリもインターネット配信可能で、Webアプリもインターネット配信、アプリケーション間のデータ連携も可能といった特徴を持つ。
協会では、これらに機能を利用し、これまでSaaSアプリ化できなベンダーも取り込み、数多くのアプリケーションを提供したい考えだ。
同協会の専務理事を務める きっとエイエスピー 代表取締役社長 松田利夫氏は「SaaSは選択だ。選べないサービスは難しい。そのためは、ある程度のボリュームが必要だ。J-SaaSの失敗は、バリエーションがなさ過ぎるからだ」と、SaaSの成功には、提供アプリの数が勝負になるとの考えを示した。
また、KSDNを使うと他の団体との簡単にできるので、J-SaaS、Amazonのほか、富士通やNECなど、SaaS関連の他の団体や企業との連携や協力関係を推進していきたい考えを示した。
松田専務理事は、設立の経緯について「SaaSというのは、テクノロジビジネスではない。これまでいろんな団体がSaaS事業を立ち上げているが、ITベンダーの都合で作られており、私たちの考えと違う。 SaaSはあくまでユーザーありきで、ユーザーに近いところで考えなければならない。ITベンダーはお客様に近いところにいるようで、中小企業にとっては遠いところにいる。SaaSをユーザー主体のサービスと考え、中小企業の業務に合ったものとして提供したい。そのためには、今、世の中にあるしくみのなかで、これに近いことを提供している方々と組むしかない」と述べた。
今後は、ユビキタス分科会、セキュリティ分科会、サポート分科会、教育・普及分科会、ユーザビリティ分科会、プラットフォーム分科会、サービス科学研究会などの各分科会を中心に、各種の検証や啓蒙活動を行う予定だという。
活動資金としては、サービスプロバイダーの会員を募集し、年間24万円の会費を充てる予定だ。