名古屋大学と富士通は11月13日、同大学大学院情報科学研究科の武田一哉教授を研究代表者とする「行動モデルに基づく過信の抑止」が、科学技術振興機構が実施する戦略的創造研究推進事業の平成21年度新規採択課題として採択されたことに基づき、同研究を「振り込め詐欺防止」と「交通事故抑止」に応用して実証実験を行うことを発表した。

同研究は、情報と物理を統合する視点から人間行動の数理的モデルを研究し、行動に内在する「人間の状態」を理解する方法を研究するもの。

振り込め詐欺防止システムの実証実験は10月からスタートしている。具体的には、警察庁と名古屋銀行の協力を得て、振り込め詐欺を誘う電話を受けた時の被害者の異常な心理状態における発話や行動を検出する技術を開発する。これにより、被害者に異常な心理状態に置かれた電話であったことを警告し、通話内容を落ち着いて再考する機会を作る。

振り込め詐欺防止技術の仕組み

運転者と車との間の過信検出の実証実験としては、ドライバーの認知・判断・運動機能の低下や車載された音声対話システムによるドライバーや利用者のとまどいを検出する実験などを実施する予定である。