人間、長く生きているとまわりの親しい友人たちの死に直面するケースが増えてくるが、そうした友人たちは何を残していってくれるのだろうか。記憶? 思い出? 遺物や業績? 最近であれば、ソーシャルネットワークのアカウントというのもあるだろう。米Facebookは10月26日(現地時間)、こうして誰もログインしなくなったアカウントを永久に保護し、親しい友人の間でのみ参照可能にするサービス"Memorialized Profile"を発表した。
"Memorialized"とは「追悼する」こと。もしFacebook上の友人の死亡がわかった場合、申請フォームを通して当該アカウントをMemorializedすることで、その友人のアカウントが生前に"Friends"の関係にあった友人のみが参照または検索可能な"保護された状態"のアカウントに変更できる。つまり亡くなったユーザのアカウントを永久に凍結し、親しい友人のみが墓参りに訪れることができるようなものとなる。友人との思い出を酒の肴に、グループ同士でまた語り合うのもいいだろう。Facebookによれば、亡くなった人物のプロファイルはきちんと保護され、取り扱いに注意すべき情報の秘匿には細心の注意を払うと説明している。
同サービスについては、公式ブログ上でMax Kelly氏が経緯について説明している。Kelly氏はFacebookに在籍して4年となるが、ここでの仕事は20年来の一番の親友と一緒に働く初めての場だったという。ところがFacebookに在籍してから6週間後、その友人は不慮の事故で死亡してしまったという。寝食を惜しんで一緒に同じ仕事ができる機会が到来した直後の出来事だ。ソーシャルメディアという人と人をつなぐサービスと死、これを結びつけるべく登場したアイデアの1つが「Memorialized Profile」だったのだ。突然死を迎えた人物のホームページやブログを通して家族や友人が当人の死を報告するケースはたまに見受けられるが、SNSに刻まれる墓標もまた、デジタル時代の象徴かもしれない。