シマンテック コーポレーションのホステッドサービス(SaaS)グループであるメッセージラボ ジャパンは、同社が提供しているSaaS型セキュリティサービスの管理者画面の日本語化が完了し、今後はSMB(中堅・中小企業)向けに積極的に販売していくことを表明した。

メッセージラボは本社を英国に置き、SaaS型のセキュリティサービスを提供してきたが、2008年 米シマンテックが買収。現在はシマンテックのビジネスユニットの1つとして活動している。

日本法人であるメッセージラボ ジャパンは2007年8月に設立し、現社長はシマンテック社長の加賀山氏が兼務している。

同社のセキュリティサービスは、DNSサーバ上のMXレコードを変更し、メールの送受信の際、メッセージラボのサーバを経由させることにより、アンチスパム、アンチウィルス、コンテンツコントロールなどのサービスを提供するというものだ。

メッセージラボのサービスの概要

メッセージラボジャパン カントリーマネージャー 山本誠治氏

メッセージラボジャパン カントリーマネージャー 山本誠治氏によれば、利用料金は1ユーザーあたり300円程度だという。山本氏は、これにより、アプライアンス製品や同業他社に比べ、価格競争力で優位な立場にあるとした。

同社はこれまで、日立情報システムズ、日本IBM、ベライゾンを代理店として、大企業を中心に展開してきた。それは、管理画面が英語であることや、日本語でのサポートを行っていなかったことから、中小企業への展開は難しいと判断したためだ。

しかし今回、管理画面の日本語化をシマンテックのローカライズチームの協力のもと完了、並びに日本語でのテクニカルサポート体制を整え、今後はSMB市場へ攻勢をかける。

そのため、セールス&マーケティング要員を採用し体制を整えたほか、新たにSMB市場に強いパートナーの開拓も行っていくという。ただし山本氏は「パートナーだけですべてをカバーできるわけではない」と語り、今後は直販も検討していくことを明らかにした。

メッセージラボ オーストラリア アジアパシフィックマーケテイングシニアダイレクター アンドリュー アンタル氏

メッセージラボ オーストラリア アジアパシフィックマーケテイングシニアダイレクター アンドリュー アンタル氏は、メッセージラボが提供するSaaS型サービスのメリットとして、MXレコードを変更するだけなど、設定や導入が簡単な点、従業員数に応じた月額料金で支払いのため予算化がしやすい点、低価格である点、ワールドワイドレベルで冗長化されている点、管理者が不要な点などを挙げ、強みとしては、ウイルスに感染した場合は返金、スパム検知率99%(日本語は95)以上を達成できない場合は返金などの、高いSLA(サービスレベルの保証)を挙げた。

メッセージラボのSLA

なお同社は、今後SaaSではなく「ホステッドサービス」として、ロゴも新たにして販売を行っていく。

「ホステッドサービス」の新しいロゴ