シスコシステムズは、少人数向けのビデオ会議システム「Cisco TelePresence System 1300」「Cisco TelePresence System 1100」を、同社のビデオ会議システムのラインナップに追加した。
同社ではすでに、大規模なビデオ会議を想定した18シートの3200と、6シートの3000、および個人向けの500を提供しているが、1300と1100はその間を埋めるもので、企業の各拠点での導入を想定している。
1300は、3台のカメラを搭載しており、6名程度までの利用を想定している。一方1100は、1台のカメラを搭載しており、2名程度までの会議を想定している。いずれも参加者が等身大で表示され、自分がいる会議室と一体感を持ち、対面しているかのように会議が行えるテレプレゼンス仕様となっている。
なお、1100は別売りのオプションキットを購入することで、1300にアップグレードできる。
また、シスコシステムズでは、ビデオ会議用の多地点接続装置(MCU: Multipoint Control Unit)である「Cisco Unified Videoconferencing 5000」シリーズを新たに発表。この製品はシスコ製品と他社ビデオ端末との連携ができるほか、12MbpsまでのフルHDビットレートでの話者分割やH.264 SVCコーデック、WebExとのHD接続に対応する。
シスコシステムズ エンタープライズマーケィング シニアマネージャーの北川裕康氏は、ビデオコンテンツの増加について「今年はIPトラフィックの30%をビデオコンテンツが占めている。牽引しているはコンシューマのストリーミングだが、今後は双方向のビデオが伸び、エンタープライズ分野においても、会議システムだけでなく、監視カメラやデジタルサイネージといった新しい利用法が普及しつつある」と述べた。
そして、エンタープライズ分野の会議用途だけなく、教育分野、行政の窓口、遠隔医療、イベントなどでの利用も期待できるとした。
記者発表は「Cisco TelePresence System 3200」を使って行われた。左がシスコシステムズ エンタープライズマーケィング シニアマネージャー北川裕康氏、右がシスコシステムズ プロダクトマネージメント ビジネスプロダクトマネージャ 渡邉靖博氏 |
北川氏は、企業がビデオ会議システムを導入するステップには、1)コスト削減、2)生産性にフォーカス、3)企業の変革の3つのステップがあるとし、「われわれは企業のビジネス改革まで支援していきたい」と語った。
同氏は企業でビデオ会議を活用するポイントとして、相互運用性、モビリティ、簡単操作の3つを挙げ、シスコの対応を説明した。
相互運用性は、企業の既存資産を活かしながら他社製品も含めてたさまざまなデバイスの相互接続性を提供することを目標にしており、シスコでは、一般PC向けに従量課金性のSaaS型Web会議システムWeb Exを提供している。また、他社製品との相互接続についてシスコシステムズ プロダクトマネージメント ビジネスプロダクトマネージャ 渡邉靖博氏は「主要なベンダーのHD(ハイ ディフィニション)/SD(スタンダード ディフィニション)端末は接続できる」と述べた。
「Cisco TelePresence System 500」、FOMA端末、SONYのSD端末でのビデオ会議。写真はSONYのSD端末で、画面中央上がCisco TelePresence System 500の映像、下がFOMA端末の映像 |
モビリティについては、Web Exを介するアクセスでiPhone、iPod Touch、FOMA端末を新たにサポートし、今後はBlackBerry、Windows Mobileも対応する予定だという。
簡単操作では、単一インタフェースですべてのコミュニケーション操作ができるほか、マイクロソフトのOffice Communication ServerやIBMのノーツとの統合を実現している点を挙げた。