米Hewlett-Packard (HP)は8月18日(現地時間)、同社会計年度で2009年第3四半期(5-7月期)決算を発表した。同四半期の売上は275億ドルで前年同期比2%のダウン、純利益は16億ドルで19%のダウンとなった。世界的な不況を受けてハードウェア関連を中心に大幅な落ち込みを見せており、サービス部門での好調が支えきれなかった。

売上ベースの比較では、エンタープライズストレージ&サーバ(ESS)部門が37億ドルで前年同期比23%のダウン、ソフトウェア部門が8億4700万ドルで22%のダウン、PC等のパーソナルシステムグループ(PSG)が84億ドルで18%のダウン、イメージング&プリンティング部門(IPG)が57億ドルで20%のダウンとなった。特にPSGは製品出荷台数自体は2%伸びているものの、ネットブックの台頭や価格攻勢による昨今のASP(平均販売価格)下落の影響を受けて全体の売上は減少している。一方でサービス部門はEDSの統合完了を受けて93%増の85億ドルと大幅なアップを達成しており、今後のHPの中核事業の1つとなる可能性がある。

多くの部門で軒並み2桁ダウンを記録するなか、好材料もある。総売上ベースで前年同期比2%ダウンとなっているが、直前の四半期との比較では4%の上昇を見せており、若干がなら事態が好転している。またHP CFOのCathie Lesjak氏は中国市場で引き続き2桁ベースの成長を見せていると述べており、一部の成長市場が業績を牽引していくことになるのかもしれない。CEOのMark Hurd氏は「市場は安定しており、IT投資も底打ちした」ことを指摘し、直近で業績が回復する見込みだと述べている。

続く2四半期では季節的に売上の伸びる新学期商戦や年末商戦を控えており、PCやプリンタ関連の需要の伸びる時期でもある。Intelが直近の決算で受注状況が改善したことを報告しているなど好材料もあるが、在庫整理が一巡しただけで需要の本格回復は来年以降という指摘もあり、業界トップのHPの動向もまだまだ油断できない。なお、18日のHP株価終値は好決算期待から買いが膨らんで前日比1.97%増の43.96ドルとなったが、決算発表を受けた時間外取引では2.0%前後ダウンの43ドル付近で推移している。