アイ・ティ・アールは8月11日、国内のセキュリティ・ログ管理製品6分野の市場規模・動向の調査結果を発表した。同発表によると、同市場は出荷金額ベースで前年比17.5%増と拡大しており、なかでも前年比39.%、出荷金額20億5,900万円のデータベース・ログ管理市場が最も伸びが大きかったという。

同調査は統合ログ管理、フォレンジクス、データベース・ログ管理、ファイアウォール・ログ管理、ファイルサーバ・ログ管理、クライアント・ログ管理の6分野の製品市場・国内49ベンダーを対象に調査・分析を行ったもの。

同社では、データベース・ログ管理市場が伸びた最大の要因を「日本版SOX法施行に伴う内部統制への対応ニーズ」と分析している。同市場シェアトップのインサイトテクノロジーは、金融業や通信業に対し同社製品「Performance Insight for Security for Oracle」の大口案件を複数獲得し、パートナー販売を拡大したことで、2008年度の出荷金額を前年比88.7%増の8億円へ伸ばし、同社の市場シェアは10ポイント増の38.9%となった。

国内データベース・ログ管理市場ベンダーシェア(2008年度・出荷金額ベース) 資料:アイ・ティ・アール

同社のアナリストである雪嶋貴大氏は、「個人情報や財務データが格納されるシステムが対象となることから、セキュリティ・ログ管理市場の中でもデータベース・ログ製品分野に対する需要は高いが、企業の投資は依然として改善の兆しが見られないことから、2009年度の伸び率は前年度に比べるとやや減速すると予測している」としている。

その他の5分野の詳細については、同社が販売している「ITR Market View:セキュリティ・ログ管理市場2009」にまとめられている。