大塚商会は、2009年度上期(2009年1月 - 6月)の連結業績を発表した。
売上高は、前年同期比9.8%減の2,281億6,000万円、営業利益は40.9%減の110億8,500万円、経常利益は41.0%減の112億4,600万円、当期純利益は40.4%減の63億4,800万円の減収減益となった。計画に対しては、売上高で97.3%、営業利益で90.1%、経常利益で90.0%と下回ったが、当期純利益については、100.8%とほぼ計画通りの結果となった。
大塚商会の大塚裕司社長は、「売上高に関してはまあまあ、利益については反省が残る結果となった。全業種が厳しい環境にあり、こうした外部環境の悪化が影響している。IT活用ニーズはあるが、IT投資の抑制、買い控えが継続している。当社では、コスト削減や生産性向上、競争力強化につながるシステム提案をしているが、実需にはなかなかつながっていないのが実状。だが、10周年を迎えた『たのめーる』および5周年を迎えた『ぱーそなるたのめーる』では1,500アイテムの値下げなどによって注力、さらにLED照明の販売や、ライオン事務機との提携による新規ビジネスへの取り組みなどが順調に進捗している。また、東京、大阪、名古屋で開催したプライベートフェアへの来場社数で5.8%増、来場者数で6.6%となっており、ITへの期待やニーズがあることを感じている」とした。
さらに、営業キャッシュフローが242億円と、前年同期に比べて12億円増加。また、自己資本比率が46.6%と前年同期に比べて5.0ポイント増加していることを示し、「減収減益ながらも体質は強化されている」とした。
セグメント別では、システムインテグレーション(SI)事業の売上高が17.4%減の1,256億300万円、サービス&サポート(S&S)事業の売上高は1.7%増の1,015億6,300億円。その他事業の売上高は12.7%減の9億9,300万円。前年同期には41.1%の売上高構成比だったS&S事業は、今期は46.5%にまで上昇。不況のなかでの安定業績確保に寄与しているという。
また、大塚商会単体のセグメント別業績では、SI事業の売上高が17.9%減の1,146億6,400万円、売上総利益が24.1%減の221億7,400万円、S&S事業の売上高は2.4%増の998億2,000万円、売上総利益が2.8%減の247億8,100万円。
SI事業のうち、SI関連商品の売上高は18.2%減の983万9,700万円、受託ソフトなどの売上高が15.8%減の162億6,600万円。S&S事業のうち、サプライの売上高が3.2%増の462万9,300万円、保守などの売上高が1.7%増の535億2,600万円となった。
「SI事業ではパソコン、サーバなどの買い控えが見られている。だが、S&S事業では、たのめーるが堅調に伸びており、6月にはたのめーるの月間売上高が、初めて100億円を突破した。オフィスデポの年間売上高が100億円規模であり、これを1カ月で達成したことは社内的にも、業界的にはエポックである。たのめーるの口座数は、6万4,038口座となり、前年同期比に比べて10.8%増加している。通期では1,000億円を目指すほか、たのめーるをドアオープナーとして販売拡大の手段に位置づけたい」とする一方、「S&S事業の領域では、不況型の値引き要求が増加し、ユーザーの利用環境において、カラー印刷からモノクロ印刷にするといった動きや、コピー機の使用を停止するといった動きがある」などとした。
重点戦略事業については、MRO事業の売上高が1.9%増の480億7,100万円。そのうち、たのめーるが2.8%増の466億円。ソフトウェアのSMILE事業の売上高が3.2%減の35億6,400万円、ODS21の売上高が12.6%減の186億8,600万円、OSMの売上高が6.4%減の217億3,400万円。販売台数では、複写機が17.8%減の1万4,254台、そのうちカラー複写機が11.6%減の1万660台、サーバが3.6%減の1万6,269台、パソコンが0.4%減の26万7,040台。
「カラー複写機が初めてマイナス成長となった。パソコンは、業界団体であるJEITAの4 - 6月の実績が11.9%減であったことに比較すると落ち込みは少ない。だが、パソコンがマイナスとなるのは、今後、保守事業やソリューション事業の拡大にマイナスの影響となるため、販売台数にはこだわっていたきたい」と厳しい表情で語った。
大塚社長は、上期のマイナス成長の要因として、顧客1件あたりの購買単価が減少していることをあげた。「年商10億円未満の企業の口座数は前年同期比1.4%増、10 - 100億円未満で1.7%増、100億円以上で2.4%増と、いずれも増えているが、1企業あたりの購買金額は年商10億円未満の企業で12.7%減、10 - 100億円未満で13.5%減、100億円以上で8.6%減となっている。明らかに顧客あたりの単価が減少している」とした。また、たのめーるの顧客単価も11.5ポイント減少しているという。
なお、今年2月に発表した通期計画については、変更しないとした。