パナソニックと家電製品のリサイクルを行うパナソニック エコテクノロジーセンターは2日、テレビのブラウン管の分解を短時間で高品位に行う「高効率ブラウン管溶融割断リサイクル技術」を開発したと発表した。レーザー光を使用するもので、従来方式と比べて3倍の処理能力を実現したという。
テレビのブラウン管は前面の透明な"パネルガラス"と、背面の鉛を含む"ファンネルガラス"の2種類のガラスで構成されており、成分が異なる2つのガラスを混在することなく高い純度で分離することが、ブラウン管のリサイクルにおける大きなポイントという。従来は、前面と背面ガラスの境目にカッターで傷をつけ、傷にニクロム線を巻き付けて通電し局所加熱を行う熱線方式により分離していたが、一定の加熱時間が必要であり、分離する位置がばらつくため人手による修正作業を必要としたとのこと。
今回開発した技術では、ブラウン管の前面と背面の分離にレーザー光を使用。熱線方式と比較して短時間で切断でき、修正作業も減ったという。1台あたり50秒で処理できるようになり、処理能力は従来の3倍へと向上したとのこと。また安定して高品位な切断を行うために、ガラス表面にレーザー光の焦点を正確にあわせる「加工面倣いヘッド機能」と、レーザーヘッドとガラス表面の相対速度に応じて一定エネルギーのレーザー照射を行なう「照射エネルギー制御」を導入。
そのほか、ブラウン管の種類やサイズを自動計測判定して処理する新技術も開発。機種サイズに応じた38種のレーザー条件を設定することにより、全自動化が可能になったとしている。