これまでPCを選ぶ際は性能や価格を基準に行っていたが、最近ではさらに省エネまで考慮するようになってきた。省エネを考えた場合、ノートPCはデスクトップよりもすぐれており、さらに持ち運びできることから、企業では社員にノートPCを与えるケースが増えている。現在、さまざまなノートPCが市場に出回っているが、今回はボタン1つで省電力設定を変更できるNECのビジネスノートPC「VersaPro VE」の機能について見てみたい。

NECのノートPC「VersaPro VE」はモニタのサイズ、メモリ容量、ハードディスクドライブの容量CPUなど、用途に応じて選択することができる。

  • モニタのサイズ→16型ワイドTFTカラー液晶と15.4型ワイドTFTカラー液晶の
  • メモリ→1GB、2GB、4GB
  • HDD→80GB、120GB、160GB
  • CPU→インテル Core2 Duo プロセッサー P8800、同 P8700、インテル Celeron プロセッサー

VersaPro VE

ECOボタンで簡単に電力設定を切り替え

VersaPro VEの特徴の1つは充実した省電力機能である。同製品は「ECOボタン」というボタンを標準で備えており、このボタンを押すだけで電力設定を切り替えることができるのだ。電力モードは「高性能」、「標準」、「ECO」の3種類あり、ECOボタンを繰り返し押してモードを選択する。モードに合わせてECOボタンのLEDの色も変化するので、目で見てわかりやすい。「標準」から「ECO」モードに切り替えれば、消費電力量を約20%削減できる。

「標準」モードの時は緑色に光るECOボタン(左)とECOボタンを押すと表示されるモードを選択する画面(右)

ECOモード設定ツールの設定画面

省電力の設定は「ECOモード設定ツール」で行う。同ツールでは以下の項目をはじめ、14項目を設定することができる。

  • ディスプレイの電源
  • ハードディスクの電源
  • スリープ状態
  • 休止状態
  • プロセッサの電源管理
  • USBの選択的な中断
  • ディスプレイの明るさ

Core2 DuoとvProで電力・CO2・コストを削減

Core2 Duo プロセッサーは、処理性能の向上と低消費電力を実現している。同社は、既存で導入しているPCと同社の最新PCの消費電力量、CO2排出量、電気料金をシミュレーションできる「ECOシミュレータ」を提供しているので、Core2 Duo プロセッサーのPCに買い換えた場合の省エネ効果を計算してみたい。

ここでは、2006年当時標準的なノートPC(プロセッサーはPentium M 74/1.73GHz)100台を、VersaPro VEのCore2 Duo プロセッサー P8700搭載モデルにリプレースするとしよう。ECOシミュレータに必要なパラメータを入力すると、年間の消費電力量・CO2排出量・電気料金を計算してくれる。この場合、消費電力量は約3.148kWh、電気料金は約4万4,072円の削減が可能で、CO2排出量は約1,322kg抑えられるという結果が出た。

ECOシミュレータの画面。パラメータを入力すると、買い替えによって抑えられる消費電力量・CO2排出量・電気料金が表示される

また、同製品はvProに対応しているので、電源がOFFの状態のPCを起動させて、遠隔からメンテナンスを実行することができる。これにより、夜間にメンテナンスを実行するために利用していないにもかかわらずPCの電源を入れたままにしておく必要がなくなり、無駄な電力消費の削減が実現される。