シマンテックは6月17日、顧客の環境において排除可能なデータ重複がどのくらい生じているかを診断するサービス「データ重複排除アセスメントプログラム」を無償で提供すると発表した。同サービスでは、データ重複排除機能を備えたデータ保護ソフトウェア「Veritas NetBackup PureDisk」の導入効果も測定する。

シマンテック プロダクトマーケティング部プロダクトマーケティングマネージャ 石井明氏

同社でプロダクトマーケティング部プロダクトマーケティングマネージャを務める石井明氏は、「当社はコスト削減に即効性のあるストレージ戦略を策定し、今月より顧客にアピールしている。この戦略の柱は、"未使用領域の特定と再利用"、"ストレージの仮想化"、"重複するバックアップデータの削減"、"アーカイブによる最適化"の4点だ。今回のプログラムを柱の1つである重複データの削減を推進するもの」と説明した。

データ重複を排除する技術は、アーキテクチャによって「ポストプロセス型」、「インライン型」、「クライアント型」の3種類に分類できる。同社が提供しているVeritas NetBackup PureDiskを活用したデータ重複排除技術は、クライアント型に相当する。

プロダクトSE部シニアシステムエンジニアである上雄記氏は、「当社が提供するデータ重複排除技術は本番サーバとPureDiskサーバを比較して重複しないデータのみを転送する。そのため、バックアップに要する時間、ストレージ容量、バックアップに要するネットワーク帯域幅を大幅に削減できる」と、同社が提供するデータ重複排除技術のアドバンテージをアピールした。

データ重複排除技術の違い

今回提供するサービスは診断内容が異なる3つの診断から構成される。「簡易アセスメント」は、Windowsの標準スタックを用いて行う診断で、最も簡易なもの。具体的には、dirコマンドの出力をシマンテックの提供するツールを用いて、デイリーのデータ更新率を確認する。この診断は既存の環境に手を加えたくない顧客向けとなる。

「VAアセスメント」は仮想マシンを用いて、Veritas NetBackup PureDiskで診断を行う。仮想マシンはOVFフォーマットとして提供されるが、現在のところ、検証・アセスメントの用途としての機能であり、次期バージョンで本番環境用の機能が装備される。

「物理アセスメント」では同社が顧客の環境にPureDisk Serverをインストールしたハードウェアを持ち込んで診断を行う。本番環境に近い導入効果を証明することができる。VAアセスメントと物理アセスメントは、測定結果として、「データ削減の実測比率」、「バックアップ速度」、「バックアップ量の推移」が得られる。顧客のニーズに応じて、成果としてレポートを提供する。

左は簡易アセスメントで得られる結果、右はVAアセスメントと物理アセスメントで得られるレポート