米EMCは6月3日(現地時間)、NetAppが5月20日に買収を発表したストレージベンダーのData DomainにNetAppより好条件で買収を持ちかけた。これを受け、NetAppも買収額をEMCと同額に変更し、事態は混沌としてきた。

NetAppは5月20日、株式と現金によってData Domainの普通株式を1株当たり25ドルで買い取り、約15億ドルで買収することで最終合意に達したと発表した。

一方EMCは6月1日、現金でData Domainの普通株式を1株当たり30ドルで買い取るという発表を行った。買収額は約18億ドルとNetAppの15億ドルの1.2倍を提示。

こうしたEMCの動きを受け、NetAppは6月3日、EMCと同額の普通株式1株当たり30ドルで買い取ると、提示額の変更を発表した。NetAppのCEOであるDan Warmenhoven氏は、「Data DomainとEMCのプロダクトラインに重なりがあるのに対し、Data Domainと当社のプロダクトラインは相補的であり、買収によって高い成長が望めるだろう」と述べている。

同日、EMCのCEOであるJoe Tucci氏も「株式と現金で取引を行うNetAppの提案よりも、すべて現金で取引を行う当社の提案のほうが有利。当社は、Data Domainのボードメンバーに、同社のステークホルダーにとって有益な取引を妨げることのないよう促していく」と、引き続きData Domainの買収を続けていくことを発表している。