ヤフーがWebアクセス解析の新ツール、『Yahoo!アクセス解析(ベータ版)』をリリースした。最大の売りは「リアルタイム」にある。実際に利用してみると、そのすごさや使い勝手がよく分かった。そこで今回はYahoo!アクセス解析の機能と特徴、誰しもが気になるであろう「Google Analytics」との比較について書いてみたい。
「Yahoo!アクセス解析」の特徴
Yahoo!アクセス解析の主な機能、特徴は次のとおりだ。
- リアルタイムレポート
- ダッシュボード
- 無料
- 除外設定
- 経路分析
- 比較レポート
- 複数サイト対応
やはり"リアルタイムレポート"は特徴のひとつと言える。初回の登録から最大1時間程度待たされるが、その後のアクセスはほぼリアルタイムに反映されていく。"ダッシュボード"は、最初の画面によく見るレポート表示機能だ。そして"無料"という点も大きい。元々Yahoo! JAPANの個人向けホームページサービスである「Yahoo!ジオシティーズ」の有料版「ジオプラス」で使えた機能なのだが、今回それが無料で利用できるようになったのだ。まったくの新規サービスでない分、必要な機能や使い勝手も最初から良い状態になっているのはうれしい点だ。
今は実装されていないが、今後コンバージョンの測定機能が追加される予定(2009年夏頃)となっている。そうなれば一般ユーザはもちろん、広告の効果測定を行う広告代理店や企業であっても十分使えるツールになってくるのは間違いなさそうだ。
「Yahoo!アクセス解析」の利用環境
利用環境は、Windowsの場合はInternet Explorer 6/ 7およびFirefox 2/ 3、Mac OS Xの場合はSafari3となっている。また、FlashとJavaScriptが利用できる状態になっている必要がある。Mac OS X+Safari4βでアクセスした場合、機能的には問題ないが、Flashプレーヤがインストールされていないというエラーが表示されてしまった(利用はできる)。
レポート機能
レポート機能は実に多彩だ。おもにグラフと、そのグラフの一覧表とで構成されている。ページビュー(PV)や訪問者数、検索エンジンのシェアとその検索キーワード、参照元リンクと離脱リンク、新規と再訪問それぞれのグラフ、時間帯別といったアクセス関連の情報を提供。加えて、訪問者の閲覧環境(OS/ JavaScript/ ブラウザ別など)や言語、国、都道府県といったデータ、URL別ページビュー、閲覧開始ページ、直帰率、経路分析、サイト構造分析、平均滞在時間など詳細な分析もできる。
ほぼ生ログに近いデータを取得することも可能だ。こうしたデータはすべてPDFやCSV形式でダウンロードすることが可能で、10~1,000件までの範囲で指定できる。アクセスに関する分析とそのダウンロードがほぼすべてYahoo!アクセス解析に詰まっていると言えるだろう。
「Yahoo!アクセス解析」のはじめかた
Yahoo!アクセス解析をはじめるのはごく簡単だ。Yahoo! JAPAN IDと自分のWebサイトを持っていればOKだ。一般的なASP形式のブログシステムではJavaScriptの埋め込みを許可していないため、このYahoo!アクセス解析を導入するのは難しい。FTPなどが提供される、自分で好きに修正できるWebサイトを持っている必要がある。
まず、Yahoo!アクセス解析にログインすると表示されるのが「コントロールセンター」だ。ここで解析対象になるWebサイトのデータを登録し、解析用のJavaScriptコードを取得する。それが「解析用コード取得」だ。なお、同じ解析用コードが埋め込まれている場合は、ドメインが違っていても同じプロジェクトとして管理されるので注意が必要だ。ただし、意図的にサブドメインで役割を分けている場合は、URLを超えて解析ができるのは便利だろう。
解析コードを取得したら、Webサイトのページに埋め込んでいく必要がある。ブログエンジンの場合は共通したテンプレートを用いていることが多いので、ひとつ埋め込めば済む。そうでない場合は、解析対象のページすべてに埋め込む必要がある。あとは最長1時間程度待っていればデータが表示されるようになるはずだ。