メッセージラボは、1995年に設立された英国を本社とする、SaaS型のセキュリティサービスを提供するベンダーだ。現在全世界で2万社以上が利用しており、昨年10月に米シマンテックに買収された。

日本法人としての統合はまだだが、今年の2月には事務所を東京のシマンテック本社内に移動し、シマンテックの一員として活動を開始している。

現在のメッセージラボのサービス利用者数はワールドワイドで2万社、800万人だ。このうち日本のユーザーは230社、25万人となっている。これまで同社は、E-mail向けのアンチウイルス、アンチスパム、不適切な画像やコンテンツのブロック、暗号化サービスを提供していたが、今年の3月からはWeb用にアンチウイルス、アンチスパイウェア、URLフィルタリングなど、「Managed Web Security Service」の提供を開始している

3月から提供開始した「Managed Web Security Service」

メッセージラボ ジャパン 代表取締役 山本誠治氏

最近のスパムの発生状況について、メッセージラボ ジャパン 代表取締役 山本誠治氏は、ワールドワイドでは、ここ数年は横ばいに近い状況だが、日本は2002年から右肩上がりに増加していると指摘する。もともと日本は、世界と比較してスパムの発生率は低かったが、最近は世界とあまり変わらなくなって来ているという。

そして最近、日本おいて大きな問題になっているのが、ある日突然通常の数倍にスパムが急増する「スパム・スパイク」だ。これにより、メールサーバがダウンするケースもあり、とくに大企業で大きな問題になっているという。

メッセージラボ ジャパン テクニカルディレクタ 坂本真吾氏

一方ウイルスについて山本氏は、全体的に減少傾向にあるものの、SNSなどで入手した情報をもとに、ある特定の個人や組織をターゲットにスパイウェアやトロイの木馬を送り付ける「ターゲットアタック」が急増しており、またこれらにはエンドユーザーには気づかれないように送りつけるという巧妙さがあり、リスクが顕在化しないという問題もあるという。

また、テクニカルディレクタ 坂本真吾氏は、最近は実際にウイルスを添付せず、URLだけを記載して送付し、リンク先で感染させるといった手法を使うなど、攻撃者もより巧妙化しており、各セキュリティベンダーが検知用に設置するハニーポッドというドメインも避けるなど、セキュリティベンダーの検知率を下げるような動きも見られるという。