複数のプロジェクトを並行して進めた経験のあるプロマネやデベロッパなら、「どうプロジェクトの進捗を管理・共有していくか」に一度は頭を抱えたことがあるはずだ。日々発生する要望・バグ・修正の作業に追われるだけになってしまい、プロジェクトが混乱・迷走することもよくある話。「管理さえしておけば」と後悔する前に、プロジェクト管理の手法を確立しておきたいものだ。
そこで、本稿では、プロジェクト管理に特化したWebアプリ「Redmine」について、インストールの手間から運用面までふくめて紹介しよう。
複数プロジェクト対応、Webブラウザで完了、日本語もOK
プロジェクト管理Webアプリケーションの筆頭といえばtracが挙げられるが、ここ数年の間でRedmineが注目されつつある。
RedmineはJean-Philippe Lang氏が中心となり開発・リリースしている、プロジェクト管理に特化したWebアプリケーション。GNU GENERAL PUBLIC LICENSE Version 2のもとで公開されているオープンソースソフトウェアだ。現在の最新版は4月5日(米国時間)にリリースされた0.8.3。
Redmineの特徴はおもに次のとおり。
- Ruby on Rails製
- 複数言語対応。インストールした直後から日本語環境で使用可能
- インストール後はプロジェクトやユーザの追加・編集といった作業は、すべてWebブラウザ経由でおこなうことが可能
- 複数のプロジェクトに対応。プロジェクトを入れ子にすることも可能
- バージョン管理システムとの連携(Subversion, Darcs、Mercurial、CVS、Bazaar、Git)
- チケットトラッキング、Wiki、ファイルアップローダ、フォーラム、リポジトリブラウザ、ガントチャート
- チケット・ガントチャートのエクスポート(CSV/PDF形式)
- トラッカー, ロール(権限)をはじめとした、さまざまな項目のカスタマイズが可能
- 外部プラグインでの拡張が可能
はじめから複数プロジェクトの管理に対応している、日本語環境で使用可能、Webブラウザ経由での管理が可能、といった点はかなり魅力的だ。一度インストールさえしてしまえば、Redmineを管理・使用するユーザはシェルやコマンドを駆使してプロジェクトやユーザを作成する必要はない。これまでプロジェクト管理やバグトラッキングシステムにまったくゆかりのなかった現場でも、比較的すんなりと受けいれてもらえるユーザインタフェースではないだろうか。
また外部プラグインを利用すれば、公開されているプラグインやプラグインを自作することでさまざまな拡張が可能となる。たとえばGoogle Docs pluginやGoogle Calendar Pluginを利用すれば、Google Docs, GoogleカレンダーをRedmineで管理しているプロジェクトページ内に組みこむことも可能だ。運用次第では使い勝手をさらに向上させる武器になるだろう。
本稿では、このRedmineのインストール方法にはじまり、Redmineの使い方の一部を紹介しよう。