日本オラクル アプリケーション事業統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 本部長 塚越秀吉氏

日本オラクルは3月17日、業務システムの操作マニュアルを実際のオペレーションから自動生成するツール「Oracle User Productivity Kit ver3.5」(以下、UPK 3.5)を発表した。

UPK 3.5は、米Oracleが昨年買収したGlobal Knowledge Software LLCの製品をベースにした教育部門向けのソフトウェア。同ソフトウェアを使用すると、オペレーションを記録するだけで、HTMLやMicrosoft Office Word文書、動画など、さまざまな形式の操作マニュアルを生成できる。

UPK 3.5の最大の特徴は、キー入力やクリックなどを行った際に自動的に画面がキャプチャされる点。各画面におけるキー入力の内容や操作手順も記録され、それらをまとめるかたちで操作マニュアルが生成される。

まずはUPK 3.5で、ドキュメント化する操作を登録する。ここでは、「Oracle E-Business Suite」での「ユーザー検索処理」を想定し、それを表すタイトルを登録している

登録が終わると、右上にRecoderが登場。PrintScreenキーを押すことでオペレーションの記録が始まる

オペレーション記録中の画面(1) - Oracle E-Business Suiteのログイン画面でIDとパスワードを入力

オペレーション記録中の画面(2) - Oracle E-Business Suiteでユーザー検索処理を実行。F11のショートカットキーを使った

記録を停止してUPK 3.5に移動。形式を指定してドキュメントの生成処理を実行

独自ビュアー形式のドキュメント。各フィールドの入力値も自動的に記載される

HTML形式のドキュメント。操作対象が赤枠で明示され、オペレーション内容が画面下部に記載される

ドキュメントの元データを編集することも可能。記録中のオペレーションミスなどは、このエディタで編集できる

また、アプリケーションのシミュレータも用意されており、本番環境とそっくりのUIで実際の操作をユーザーに体験させることも可能だ。

シミュレータの開始画面。記録した内容を前掲のエディタで編集することもできるが、ここではそのまま出力

シミュレータでは、入力フィールドに値を入力することも可能。入力値が正しくない場合にエラーメッセージを表示させることもできる。上の画面はパスワードを間違えたときのもの

ショートカットキー(F11)の使用もしっかりナビゲーションされる

シミュレータはexe形式で出力されるため、別途ソフトウェアをインストールする必要はない

加えて、UPK 3.5ではeラーニングでの使用を想定し、エンドユーザーのマニュアル利用状況(受講状況)を確認できる「ユーザー利用追跡管理機能」も用意されている。

エンドユーザーの受講状況を管理する機能も搭載

なお、UPK 3.5は複数言語に対応。日本語以外にも、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、スウェーデン語、オランダ語、中国語のマニュアルを生成することができる。

日本オラクル アプリケーション事業統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 本部長の塚越秀吉氏は、「同ソフトウェアを利用してセルフサービス型のトレーニング環境を整備することで、業務定着にかかる時間や導入後のサポート負荷が大幅に減る」と説明。続けて、「システム構築後のドキュメント作成作業でも有効なので、教育部門のみならず、SIerにも使ってほしい」とコメントし、利用用途の広いソフトウェアであることを強調した。

価格は、ドキュメントの生成権限を持つライセンスが1ユーザーあたり183万7500円で、ドキュメントの参照に必要なエンドユーザーライセンスが1ユーザーあたり6000円(5ライセンスより販売)。エンドユーザーライセンスについては、ボリュームディスカウントに相当する「従業員ライセンス」も用意されており、こちらは50ユーザーからの販売で1ユーザーあたり3000円となっている。