メッセージラボ ジャパンは2月18日、法人向けのSaaS型Webセキュリティサービスを3月1日より新たに提供すると発表した。販売は、日本IBM、日立情報システムズ、べライゾンなどのパートナーを通じて行われる。月額利用料は一人あたり数百円程度だという。

メッセージラボは、英国を本社とする、法人向けにSaaS型でセキュリティサービスを提供する会社。1995年に設立され、全世界で2万社が利用しているが、昨年10月に米シマンテックに買収された。米国においては、シマンテックはSaaS型のバックアップサービスを提供しているが、すでにメッセージラボのチームに統合されているという。

メッセージラボの概要

シマンテック 執行役員 マーケティング担当 石崎健一郎氏

現在の経営統合の状況についてシマンテック執行役員 マーケティング担当の石崎健一郎氏は「契約は昨年末にワールドワイドで完了し、年初より新しい体制に移っている。グローバルでは(メッセージラボは)シマンテックのSaaSグループの一員になっており、メッセージラボのCEOであったエイドリアン・チェンバーレインもユニット長として活躍している。日本法人についてはこれを受けて経営統合を進めており、今月中にはメッセージラボのオフィスをシマテックの本社に移転する」と述べ、現在も統合の作業を進めていることを明らかにした。

メッセージラボ ジャパン 代表取締役の山本誠治氏

メッセージラボ ジャパン 代表取締役の山本誠治氏は、日本法人の経営統合完了の時期は未定とし、パートナーに関してもしばらくは従来通り、それぞれが別々に販売していく旨を明らかにした。

メッセージラボ ジャパンの日本法人は2006年11月に設立され、国内では日本IBM、べライゾン、日立情報システムズなどを通じて、Eメール用のアンチウィルス、アンチスパム、コンテンツコントロールの機能を約230社に販売してきた。なお、メッセージラボ ジャパンでは、直販は行っていない。

そして、メッセージラボジャパンが2月18日に発表したのは、Web用のサービス「Managed Web Security Service」だ。このサービスでは、Web用にアンチウィルス、アンチスパイウェア、URLフィルタリングの機能を提供する。価格はメール向けサービスと同様、一人あたり月額数百円を予定しているという。

メッセージラボ ジャパンが3月1日より提供するWebセキュリティサービス

なお、アンチウィルス、アンチスパイウェアでは、メッセージラボのSkepticフィルタを使用してチェックするが、これはメールサービスと共用するため、Webセキュリティサービスを利用するには、メールセキュリティサービスを導入する必要があるという。

Webセキュリティサービスの構成例(Proxyなし)

Webセキュリティサービスの構成例(CSP+Schemus利用)

Webセキュリティサービスでは、ウィルス、スパイウェアが検知された場合、警告用のページにリダイレクトされ、URLフィルタリングは各企業のポリシーをベースに、アクセスされたURLやダウンロードファイルをチェックする。ダウンロードファイルのチェックでは、エンコード方式(MIMEタイプ)によるチェックや、拡張子によるチェックも可能だという。これらのチェック結果は、ダッシュボード、サマリーレポート、詳細レポート、監査レポートの4種類のレポートで報告される。ただし、これらは現状英語での提供になるという。

サマリーレポート

セキュリティサービスをSaaS型で提供することによるメリットについて山本氏は、サーバなどの初期投資が不要な点や、スパム・スパイクへの対応を挙げる。スパム・スパイクとは、スパムの受信数がある日突然、通常の数倍に増大することだ。山本氏によれば、一般の企業では2倍程度までしか対応できないが、同社のデータセンターでは、5倍以上の増加にも耐えられる能力を有しているという。また、自社のサーバ環境の増強に対応できなくなり、SaaSに乗り換えるユーザーも多いという。

同社では、今回の「Managed Web Security Service」の開始に合わせ、世界12都市、16カ所に加え、新たに国内に2カ所のデータセンターを開設する予定だ。