日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)とアイ・ビー・エム ビジネスコンサルティング サービス(以下、IBCS)は2月16日、工場や倉庫の拠点配置、集荷・配送などの輸送計画をCO2削減の観点で最適化することにより、サプライチェーンにおけるCO2排出量の削減を目指す「Green SCM ロジスティクス ソリューション群」を発表した。IBCSでは1月からGreen SCM専任のチームを立ち上げ、同分野でのビジネスを強化している。

同製品は、「Green SCM CO2最適輸送ソリューション群」と「Green SCM CO2最適サプライチェーン・ネットワーク設計ソリューション群」の2種類から構成される。

最適輸送ソリューション群は、システム導入に加えて、シミュレーション実施のみのサービスとしても提供される。同ソリューション群は以下のツールを備えている。

  • Green MSTP(Green Modal-Shift Transportation Planner): 複数の物流拠点を経由する拠点間幹線輸送について、各種運送便の運行ダイヤや荷物の納期を考慮して輸送経路を最適化することでCO2排出コストを含む総コストの削減を計画する。

  • Green VRP(Green Vehicle Routing Planner): 物流拠点から集配送先への配送ルートについて、デジタル化された道路地図の情報を基にさまざまな条件を反映しながらCO2排出量を最小化する最適なものを計画する。

最適サプライチェーン・ネットワーク設計ソリューション群は、主にコンサルティング・サービスとして提供される。同ソリューション群は以下のツールを備えている。

  • Green WLP(Warehouse Location Planner): 倉庫や工場を新規設置・統廃合する際に、輸送費と拠点の固定費・変動費の総和を最小にする拠点数と位置の検討を支援する。
  • Green SNOW(Green Supply Network Optimization Workbench): 原材料調達から顧客配送までのサプライチェーン全体の最適化を行うための製品で、特に世界にまたがるサプライチェーン上のサプライヤー、製造拠点、物流センターの配置や輸送経路の設計に適している。
  • CTM(Carbon Trade-off Modeler): 調達と流通の観点でサプライチェーンにおけるトレードオフを分析・検証し、コストとCO2のバランスをとるための燃料選択、車両選択など、最善のアクションに関する意思決定を支援する。

上記製品には、日本IBMの東京基礎研究所で開発した最適化アルゴリズムが採用されている。2社は今後、Green SCMソリューションとして、順次、Green PLM(Product Lifecycle Management)やGreen Procurementエリアについて、ソリューションの拡充を図っていくという。