"Open ALM"を標榜するボーランド 代表取締役社長 徳永信二氏

ボーランドは12月9日、負荷テストツールBorland SilkPerformer 2008R2日本語版(ボーランドシルクパフォーマー2008、日本語版)の販売および出荷を開始した。同社は2006年から国内でSilkPerformerの販売を開始しているが、2009年の戦略的展開を視野にいれてこのタイミングで日本語版の投入を実施した。本稿では、ボーランド 代表取締役社長 徳永信二氏、Borland GmbHでLQMプロダクトマネージメント本部長を務めるヨアヒム・ヘルシュマン氏に話を伺い、SilkPerformerの特徴およびボーランドがどういった戦略で市場に取り組んでいくかを紹介する。

SilkPerformerはシステムやアプリケーションのパフォーマンスを計測して最適化を進めるための負荷テストツール。ほかの類似した負荷テストツールと比較して次の特徴がある。

  • 仮想ユーザごとに必要になるハードウェアリソースを最小限に抑えている。このため競合製品と比較してハードウェアへの投資を抑えることが可能
  • Web 2.0、Ajax、Flash/Flex、.NET Remoting、SAP、ERP、Terminal Serviceなど最新の技術をいち早くサポート
  • 使用制限のないライセンス体系
  • コンカレントライセンスによる複数プロジェクトでの同時利用のサポート

SilkPerformerは仮想ユーザに対してライセンスを適用している。コントローラにはライセンスが発生しない。仮想ユーザのライセンスも永久使用ライセンスと期間限定ライセンスがあり、要望に応じて適切な方を選択できる。仮想ユーザは次の3種類が用意されており、上位のライセンスは下位のライセンスが持っている対応プロトコルをすべて持っている。

  • Web仮想ユーザ対応: HTTP/HTTPS、Flex/AMF、Streaming、Outlook Web Access、SOAP、SMTP、POP、IMAP、MAPI、FTP、TCP/IP、UDP、DLL
  • Standard仮想ユーザ対応: Web仮想ユーザ対応+CORBA(IIOP)、J2EE/EJB、.NET Remoting、ODBC、ADO、Oracle OCI、IBM CLI、LDAP、Java、.NET/VB6
  • Premium仮想ユーザ対応: Standard仮想ユーザ対応+SAP (SAPGUI)、Oracle Applications、PeopleSoft、Siebel、Citrix MetaFrame、IBM Mainframe、VT100/200+

SilkPerformerの導入や活用を支援するため、日本語版の投入と同時に次のサービスも発表されている。

  • 教育サービス(SilkPerformer導入と負荷テストスクリプト作成)
  • 導入支援コンサルテーション(SilkPerformer導入初期支援サービス、SilkPerformer負荷テストスクリプト作成/解析サービス)

SilkPerformer自身はC/C++で開発され、設計当初からともかくリソースを食わないように開発されている。エージェント自身が負荷になっては計測が正しく実施できないからだ。正確な計測と高いスケーラビリティを実現するように当初から設計されており、エージェントあたり大量の仮想ユーザを実現できるところに大きな特徴がある。ちなみにユーザが機能定義に使うスクリプトはPascalベースのBDL言語だ。Pascalにとても近いが、使うにあたって不要な機能などは取り除かれてよりシンプルになっている。