兼松コミュニケーションズは12月1日、モバイル総合管理システムの新版「KCS Motion Ver.3」をリリースした。新版では、モバイル管理の枠を超え、新たにETCやオフィス用品にも対応。請求按分や備品管理など、煩雑ながらも重要なバックオフィス業務を広範囲にサポートするASPサービスとして生まれ変わった。

本稿では、兼松コミュニケーションズ 法人営業本部 副本部長の西牧浩二氏らの話を基に、同製品の生い立ちと特徴、今後の方向性について紹介していこう。

モバイルは総務/経理の悩みの種

兼松コミュニケーションズ 法人営業本部 副本部長 西牧浩二氏

モバイル総合管理システムを標榜する「KCS Motion」とは一体どんなソフトウェアなのか。まずはこの点を明らかにしておこう。

今や営業活動を行ううえで必須のアイテムとなったモバイル機器。スマートフォンの登場により、その活躍範囲はますます広がっており、会社側で1人1台ずつ支給するケースも当たり前のようになってきた。

しかし、利用者にとっては非常に便利な携帯電話も、それを管理する総務部や経理部にとっては頭痛の種というのが実情である。というのも、携帯電話の管理は、通常の資産管理とは異なり、目を配らせるべき項目が非常に多いためだ。

例をいくつか挙げていこう。

まずは請求按分。各キャリアの法人向け割引サービスを利用する場合、一括請求が条件になることがほとんどである。しかし、企業内では部署ごとに予算が管理されているため、通信費の負担部署を明確にしなければならない。したがって、一括して送られてくる通信費を利用量に応じて各部署へ配分する作業が必要になる。契約回線数にもよるが、この計算を明細書を見ながら手作業でやるとしたら大変な時間がかかる。その影響から、「以前は、法人割引の導入に踏み切れない企業も少なくなかった」(西牧氏)という。

次に料金プランやオプションの最適化だ。携帯電話は、利用者によって使い方がさまざま。多くの相手に長時間通話する人もいれば、特定の番号にしかかけず、通話時間もある程度限られる人もいる。それらすべての回線を同一の料金プランで利用していたのではコスト面で効率的とは言えない。「利用者ごとに最適なプランを適用するべきだが、契約回線が多い場合、これは簡単な作業ではない」(西牧氏)。利用者にゆだねる手もあるが、それが本当に最適なプランかどうか経営者側は判断するのが難しくなる。

さらに、会社支給の端末で私用電話を認めた場合には公私分計が必要になる。分計ルールは企業によって異なり、通話相手で計算したり、定額負担にしたりさまざまだ。細かい管理を求めるのであれば、手作業では限界があるだろう。

また、スタッフが入れ替わるたびに、新規契約や機種変更を行うため、各キャリアの窓口へ足を運ばなければならいという問題もある。必要な書類を揃えて、移動することを考えると、やはりそれなりの人件費になる。