携帯電話事業者のKTFは、中国のHuawei(華為)と「次世代移動通信網の共同研究および協力に関するMOU」を、マカオで締結したと発表した。このMOU(覚書)によりKTFとHuaweiは、フェムトセル技術の研究開発をはじめとした、次世代通信技術に関する研究をともに行っていくこととなる。

フェムトセルは、超小型携帯電話基地局で、地下、ビル内、自宅など、携帯電話の電波が届きにくい場所での利用や、携帯電話とブロードバンドネットワークとの接続インフラ「FMC(Fixed Mobile Convergence)」としての利用が想定される。

今回、両社がフェムトセルなどに関する共同研究開発を行うことにしたのは「フェムトセルは屋外設置の基地局やケーブルの使用量を減らすことができるので、資源や費用の節減につながる」(KTF)というメリットに注目したためだ。またフェムトセル以外の次世代ネットワークにおいても、原価節減や技術発展の土台を作りたいという思惑がある。

さらに今回の研究成果を、KTFが将来的に目指しているFMCによるサービスを提供するための礎にしたいとも考えているようだ。KTFでは「今回のHuaweiとの研究結果によって、フェムトセル技術を商用化するかどうかを検討するつもり」と述べており、KTFが使用する次期ネットワークを決定する、重要な研究となりそうだ。

韓国におけるフェムトセルは、KTFのライバルである、最大手のSK Telecomでも既に商用化を検討しており、そのための準備を進めている。同社ではWiBroに対応したフェムトセルを公開済みで、これをソウル市に設置する予定のようだ。

これに対抗するKTFは、Hwaweiとの協力で、研究開発の成果が盛り込まれた、より良い形での商用化を目指す。

KTF ネットワーク研究所長のカン・サンヨン氏(右)と、HuaweiのW-CDMA生産部門社長のジン・ワンチェン氏(左)が、共同研究協力に関して、MOUを締結している