NTTソフトウェアは、都内ホテルで「NTT SOFT Solution Fair 2008」を開催。セミナーでは、日本電信電話 代表取締役副社長 宇治則孝氏が『「サービス創造グループを目指して」- ブロードバンド・ユビキタス社会に向けてのNTTグループの取組み -』と題した講演を行った。

2005年からはユビキタスの時代

最近の日本における情報通信の状況について宇治氏は、放送と通信などの「サービス融合」、「ネットビジネスの新たな潮流」、「グローバル化」という3つの特徴があり、2001-05年はe-JAPAN戦略によるブロードバンドの時代であったが、2005-10年はu-JAPAN戦略によるユビキタスの時代であると述べた。

そして、NTTでは2010にFTTHのユーザー2000万人達成を目標としており、モバイルではドコモが下り方向最大約300Mビット/秒のSuper 3Gのサービス開始を予定している。また、2011年にはテレビの完全デジタル化がひかえている。

このような状況を踏まえ宇治氏は「NTTグループはいま光事業に力を入れている。そのキーとなる技術がNGNで、2010年には全国展開する。2010年はNTTグループにとって肝になる」語った。

2010年が肝になる

宇治氏は、このような時代においてNTTグループは、電話を中心としたレガシー事業から、IPとソリューション新分野を中心とした事業構造に改革する必要があり、NGNやSuper3Gを活用した新しいIPビジネス、およびユーザーニーズに対応した新しい分野のソリューションビジネスを創造し、高品質なICTを強みにグローバル展開する必要があると述べた。

そして宇治氏は、NGNの法人向けビジネスではSaaSが最も有力であるとの見解を示し、SaaS over NGNにグループをあげて取り組むと述べた。そして、SaaS上で提供するサービスとしては、ヘルスケア、電子申請、グループウェア、ERPなどを挙げ、セールスフォースなど他の事業者との横の連携も進めたいと述べた。

セールスフォースとの連携では、今年の5月にすでにNTT comとの連携が発表されている

また宇治氏は、法人向けのNGNの用途としてはSaaS以外に、TV会議、街中の看板広告などを挙げ、専用線からの移行も進めたいと語った。

一方コンシューマ向けの用途では、IPTV、ホームセキュリティ、リモートメンテナンスを挙げ、「電話だけではもったいない。映像を使ってはじめて光が生きる」(宇治氏)と述べた。