Fortinetの極東アジア経営責任者も兼ねる坂本明男チーフ・ストラテジストは、シリコンバレー在住30年。同社に参加する前は米IPLOCKSの創設者兼CEOを務めていた(IPLOCKSは2008年6月にFortinetに買収)

フォーティネットジャパンは20日、SMB向けの統合セキュリティアプライアンス「FortiGate-110C」を発表した。同社が提供するUTM(Unified Thread Management: 統合脅威管理)製品には、SMB向けのローエンドモデルと、9月に発売されたFortiGate-5000シリーズに代表されるエンタープライズモデル、キャリア向けのハイエンドモデルが揃っているが、FortiGate-110Cはローエンドモデルに位置づけられ、クラス最高の500Mbpsのファイアウォール性能をもつ。

「セキュリティのコモデティ化が始まった。セキュリティは自社でもつものではなく、エキスパートに任せる時代」と語るのはフォーティネットジャパンのチーフ・ストラテジスト VPを務める坂本明男氏。とくにIT部門に人的コストを割けない中小・中堅企業においてはその傾向が強いとされ、フォーティネットジャパンでは「当社のようなトータルセキュリティソリューションを提供する会社にとっては、今がビジネスチャンス」(同社 マーケティング本部長 西澤伸樹氏)と捉えているという。ファイアウォールなど、脅威ごとにセキュリティソリューションを用意するよりも、アプライアンスという単一デバイスで複数の脅威に対抗できるUTMをマルチレイヤで配置するほうが、コストや導入の手間が大幅に低減でき、運用効率も高まる、と同社は提唱する。「景気後退期には統合テクノロジが活躍する。1990年代はマルチプロトコルルータによるSAN/IP統合の波がきた。そして今後はUTMによる多層防御が主流になる」(西澤氏)

「情報セキュリティの主役はファイアウォールからUTMに移っている」と語るフォーティネットジャパン マーケティング本部長 西澤伸樹氏

FortiGate-110Cは、本社のコアネットワークと支店/リモートオフィスの間を行き来するデータの保護などに適しており、コンパクトな筐体であるため設置/管理も容易に行える。ハイエンドモデルと同じくセキュリティに特化したASICプロセッサを採用し、500Mbpsのファイアウォール性能を実現、「速さと安全の両方を向上させた」(坂本氏)としている。また、2個の10/100/1000WANインタフェースのほか、ユーザ定義可能なポートを8個備えているため、外部スイッチは不要で、かつ、ネットワークの拡張にあわせてスケールアップが可能になっている。また、さまざまな脅威に対抗するための定期更新も自動でダウンロードされる。

価格は初年度保守込みで52万2,500円(税抜き)、10月から出荷を開始する。

高いコストパフォーマンスを謳う新製品「FortiGate-110C」。「他社製品のメンテナンス費用分で、当社のセキュリティソリューションをトータルで導入できる」(坂本氏)