NTTデータは15日、画面プロトタイプをプログラミング無しで作成できるツール「Axure RP」日本語版を11月下旬から発売すると発表した。新製品は同社が社内プロジェクトの要件定義で導入しており、要件抽出における品質向上と約30%の工期短縮が可能なことが確認できたという。

新製品は、画面作成に特化したデザイン機能を豊富に持つことで、技術的なスキルを使わずにプロトタイプを作成できる、プログラミングなしで実システムに近い動きのあるプロトタイプ作成可能、プロトタイプを元にした画面仕様書の自動生成機能を用いて仕様書の書き起こしの手間を省力化できるという特長を持つ。

日本語版については日本語化を担当した同社北米子会社のNTT DATA AgileNetが販売代理店となり、3年間で1,500本の販売を目指す。また、近日中に評価版を無償ダウンロード可能にする予定だ。

また、NTTデータは、新製品を要件定義工程に導入し、システムの使いやすさを含めたユーザー要求を的確に抽出する手法を開発した。開発に使用する他の製造ツールとシームレスに連携できる開発環境を2008年度中に実現し、新手法について2009年に50件の適用を目指し以後も拡大していく予定だ。

従来の手法では発注者と受注者との間でシステムの利用イメージがズレやすく、追加要件の発生による開発の手戻りや、システム構築後に使いやすさが指摘されるなどが頻繁に発生していた。

新手法では上流工程でのレビュー指摘件数が増加するとともに、後工程における追加要件が減少したことで、システム要件の抽出品質の向上と同時に、約30%の工期短縮を実現したという。また、要件定義工程でインタラクティブなプロトタイプを提示できるため、システム開発工程の上流でシステムの使いやすさに関する確認・評価が容易になり、結果としてエンドユーザにとって使いやすいシステムの開発につながったとしている。

Axure RPを使用する要件定義工程のイメージ