コクヨS&Tとスカイコムは3日、スカイコム提供の高速PDF作成ソフト「SkyPDF」とコクヨS&T提供の企業向け情報トレーサビリティサービス「@Tovas」を連携させ、電子文書に対するセキュリティ分野におけるトレース機能の提供に向けた協業体制の確立で合意した。

その第1弾として、スカイコムから@Tovasのメニューである「@Tovasセキュアードサービス」およびアマノの「アマノタイムスタンプサービス3161」との連携が可能なクライアント版新パッケージ製品「SkyPDF Pro 3.0a for @Tovas」を発売した。価格は、SkyPDF Pro 3.0a for @Tovasが4,900円、@Tovasの月額利用料は1,000円から。いずれも無料で体験可能。

@Tovasは、PCなどで作成したビジネス文書やデータをインターネット上で流通交換できるASP/SaaS型プラットフォームサービス。今回両社が提供するソリューションでは、SkyPDFと@Tovasを組み合わせ、SkyPDFが出力するPDFファイルを証跡記録による情報トレーサビリティを確保した状態で配信し、内部統制が求める行為の正しさおよび「いつ・誰が・何を」送ったかの証明と、送信したPDFファイルの「内容証明」が可能になる。

TovasとSkyPDFの連携図

具体的には、電子データが特定の日時に確かに存在していたことを示す「存在証明」、証明した日時以降は改竄されていないことを示す「非改竄証明」、電子データを「いつ・誰が・何を・どこに」送ったのかを示す「内容証明付き証跡記録」が実現するという。

@Tovasセキュアードサービスは、ファイルの送信と同時に「返信用WEBサイト」を自動的に受信者に提供し、送信者が意図したファイルを回収可能なサービス。同サービスの利用により、業務効率の向上やランニングコストの低減、運用リスクの回避などに加え、重要ファイル・大容量ファイルの流通・交換時の安全性や客観性を改善できるという。

両社は今後、同ソリューションに関する設計・開発を継続する。

SkyPDF Pro 3.0a for @Tovasは、スカイコムが2007年10月に発売したクライアント版「SkyPDF Pro 3.0」の@Tovasセキュアードサービス対応版にあたる。同社のSkyPDF製品は、PDFの標準仕様に準拠しつつ、一般的なPDF作成ツールと比べ同社調べで平均2-10倍以上の高速処理が可能であり、ビジネス用途で必要なセキュリティ機能が充実しているとしている。

SkyPDF Pro 3.0a for @Tovasのプロパティ画面

Windows Vistaが採用するJIS2004(JIS X 0213:2004)新文字セット対応の「自動フォント埋め込み機能」および、PDF文書の原本証明と存在証明をする「タイムスタンプ機能」を標準搭載する。タイムスタンプ機能は、アマノのアマノタイムスタンプサービス3161と連携し、PDF作成時にタイムスタンプを自動付与できる。なお、タイムスタンプサービスのライセンスは別途購入する必要がある。