NECは22日、ソフトバンクモバイルから、IMS(IP Multimedia Subsystem)方式のフェムトセルシステムを受注したと発表した。NECによると、IMS方式によるフェムトセルシステムの受注は世界初とのこと。
同システムはIMS Core/Femto GW(ゲートウェイ)/Femto AP(アクセスポイント)で構成する。ソフトバンクモバイルでは2008年6月に商用IMS方式フェムトシステム構築を完了し試験を開始しており、2009年1月からIMS方式フェムトセルサービスの本格展開を開始する予定という。
フェムトセルは、家庭に設置する超小型の無線基地局であり、携帯電話の電波を屋内に導入したブロードバンド回線を利用して送受信できる。電波が届きにくい室内でも携帯電話が利用でき高速広帯域通信を一家庭で占有できることから、携帯電話向けの新たなデータサービスが見込まれるとしている。
今回NECが受注したIMS方式フェムトセルシステムは、フェムトセルからの通信をSIPサーバで構成するIMSで独立して制御するため、既存携帯電話網に負荷がかからず携帯電話網全体の負荷分散になるという。このため、フェムトセルが普及してもトラフィックの増加による輻輳等を防ぐことができるとしている。
また、IMS方式は基幹ネットワークのIP化にも対応するため、ブロードバンド/固定網/携帯電話網に共通なネットワーク(ALL IPネットワーク)の構築が可能になるという。さらにSDP(サービス提供基盤: Service Delivery Platform)との親和性が高く、将来フェムトセルとホームサーバとの連携による新規ビジネスの展開なども期待できるとしている。