20年も前から、繰り返しPCの理想的な入力デバイスの一つとして話題になるのがペン入力です。しかし、実際には使いやすいものではありませんでした。タブレットは携帯に不便でデスク上でも場所をとり、ペン入力は文字を書くのに独特のコツが必要な上、誤認識の修正をしながらの入力で非効率的です。メニューなどをタップするには便利ですが、「手書き」は不便でした。筆者もこれまでタブレットPCやPDAなどを試しましたが、結局、システム手帳やレポート用紙に戻っています。そして、必要に応じてメモを後でPCや携帯電話に入力しています。
PCに接続しなくても使える
こんな中で見つけたのがMVPenです。今回試用したMVPenは、紙と電子文書の共存を図るデバイスといえるでしょう。MVPenでは、デジタルペン(ボールペンにもなっている)で、紙に手書きした文書をそのままPCに取り込めます。OCRでテキスト変換もできます。類似製品はすでにいくつかありますが、次の2点がMVPenの大きな特徴です
・PCに接続していなくても使用できるため、PCを持ち歩く必要がありません
・専用シートや専用紙を必要とせず、使い慣れた紙が使えます
MVPenは本体とデジタルペンのセットになっており、筆記する紙にクリップのように本体を留めます。ペンの動きを本体が記録します(A4用紙にして約50ページ記録可能)。本体をUSBケーブルでPCに接続すると、記録したデータをPCで取り込みます。
パッケージ内容
MVPenのパッケージはシンプルです。専用ケース、本体、デジタルペン、USBケーブル、マニュアル、付属ソフトのCD-ROMが2枚。ただし、付属のマニュアルは簡潔すぎてやや不親切な感を否めません。また、マニュアル中の「ノートマネージャ」は、スタートメニューでは「ノートテーカー」というメニューなので注意が必要です。2枚のCD-ROMのソフトウェアをPCにインストールしてから、ノートマネージャのマニュアルは、スタートメニューの[すべてのプログラム]→[ノートテーカー]→[ユーザーマニュアル]をクリックして閲覧し(PDF形式)、MyScript Notes LiteのマニュアルはMyScript Notes Liteのヘルプメニューで閲覧します。
MVPenは、前述のようにPCから分離して紙に手書きしたものを記録するほか、USBケーブルでPCに直結すると、マウスモードでマウスの代わりに使用したり、ペンモードで、タブレットのようにリアルタイムで手書き入力に使用したりできます(なお、シリーズ製品のMVPen PCはPCに接続した状態でしか使用できない廉価版です)。