Embarcadero Technologies, Delphiプロダクトマネージャ Nick Hodges氏

エンバカデロ・テクノロジーズは8日、8月26日に発表した同社製の開発ツール「Delphi 2009」および「C++Buider 2009」の報道関係者向け説明会を開催した。新バージョンの最大の特徴はUnicode(UTF-16)サポートによる国際化対応だ。「Delphi 3以来、最も重要なリリース」とも言われる同製品の新機能について、Embarcadero TechnologiesのDelphiプロダクトマネージャであるNick Hodges氏が説明を行った。

Delphi 2009/C++Builder 2009は、CodeGearがEmbarcadero Technologiesに統合されてから初めてリリースされる製品。Hodges氏は「データベースアプリケーション開発者とWindowsネイティブアプリケーション開発者、双方の要望に応えることができた画期的な新製品」としている。

エンバカデロ・テクノロジーズ マーケティングディレクター 藤井等氏

数多い新機能のうち、Hodges氏が最も強調したのは「Unicodeサポートによる国際化」と、Microsoft Officeの「リボンコントロール」を含む新VCLコンポーネントの追加および既存コンポーネントの強化だ。とくに国際化に関しては「internationalization & localization」という表現を用い、多言語環境下でのアプリケーション開発を十分に意識していることを強調する。また、CodeGearチームはBorland時代から「デベロッパーキャンプ」など開発者コミュニティの場を提供してきたが、今回はじめて、日本の開発者70名がグローバルのフィールドテストプログラムに参加したという。エンバカデロ・テクノロジーズ マーケティングディレクターの藤井等氏は「Unicodeサポートの実現にあたっては、日本のCodeGearユーザの貢献が非常に大きい」と語る。

昨今のビジネスを取り巻く動きは急速で、開発者が置かれる環境もまた変化を余儀なくされることが多い。Hodges氏は何度か"rapid"という単語を発したが、Delphi 2009/C++Builder 2009においては、パフォーマンスやインストレーションスピードの改善も大きなポイントのひとつだ。同製品はもともとヘテロジニアスな環境下におけるアプリケーション開発に定評があったが、今後は開発生産性の高さへと評価の軸がシフトすると言えそうだ。

価格はDelphi 2009 Proffesional、C++Builder 2009 Proffesionalがともに10万2,900円から。バージョンアップ価格は4万8,300円(Proffesional)から。どの旧バージョンからでも同価格で2009にアップグレードが可能となっている。