Phusion Passenger - ApacheにRailsを

Microsoftが追い上げているとはいえ、Netcraftの報告によれば1996年4月にトップシェアを獲得して以来、Apache HTTP Serverはインターネットにおいてもっとも多く使われているWebサーバアプリケーションとして君臨し続けている。高度にモジュール化されたアーキテクチャに高いカスタマイズ性がもたらす恩恵は大きく、さまざまな用途で活用されている。

しかし最近、小さい数値ながらも気になる傾向がある。第4のHTTPサーバとしてlighttpdが台頭しつつあることだ。2008年7月にはlighttpdのシェアが2倍成長をみせるなど、着実にシェアを伸ばしている。どうやら、こうしたlighttpd普及の背後にはRuby on Railsの存在があるようだ。

最大シェアを誇るApache HTTP Serverだが、Railsとの相性はあまりよくない。このためRailsの開発者は動的な処理にはlighttpdなどを採用することが多い。そして静的なコンテンツの提供にApache HTTP Serverを併用する形を選択する。Railsを使う場合はlighttpdを使うことが多いわけだ。

けれども、この状況は近いうちに変わるかもしれない。Ruby Enterprise Editionを提供しているPhusionが、RailsをApache HTTP Serverで使えるようにするためのモジュールPhusion Passenger (modrails / modrack)を公開したからだ。Phusion Passengerはオープンソースソフトウェアとして公開されている。

Phusion Passengerの設定をApache HTTP Serverに追加しているようす - Screencastより抜粋

Phusion Passengerを使うことでApache HTTP ServerをRailsの開発プラットフォームおよび運用プラットフォームとして活用できるようになる。インストールや設定も簡単だ。管理や運用をApache HTTP Server一本に絞り込めることにも利点は多い。Railsでシステム開発を実施している場合には一度試してみるとよさそうだ。