DragonFly BSDの主要開発者であるMatthew Dillon氏は21日(米国時間)、同OSの最新版メジャーリリースとなるDragonFly BSD 2.0を公開した。DragonFly BSDはFreeBSD 4系から派生したOS。FreeBSDとは異なるアプローチでマルチコア/プロセッサシステムへのアプローチを進めることをめざしている。
DragonFly BSD 2.0は一つの区切りとなるリリースだ。特に注目されるのはHAMMERファイルシステムが同梱された初のメジャーリリースという点。HAMMERファイルシステムはMatthew Dillon氏が開発を進めている新しいファイルシステムで、ZFSとよく似た機能を提供しつつもZFSの冗長な部分を排除した設計になっている。
現時点のHAMMERファイルシステムはマルチボリュームに対応し最大のストレージ容量は1エクサバイト。クラッシュ時のリカバリはマウントされている状態で実施されるためfsck(8)が必要なく、細粒度スナップショット機能の実現、スナップショット管理機能の提供、ヒストリカルアクセシビリティをデフォルトで有効化、キューを使わないインクリメンタルミラーリングの提供、アンドゥおよびロールバック機能の提供、リブロック機能の提供などを実現しているという特徴がある。
そのほかではPF機能の改善や機能追加、ワイヤレスドライバまわりの改善、イーサネットドライバまわりの改善、コントリビュートソフトウェアの最新版へのアップデートなどが実施されている。ほかにも多くの変更が実施されているが、HAMMERファイルシステムの登場がもっとも興味深い。HAMMERファイルシステムを試してみる目的でDragonFly BSD 2.0を導入する価値はあるといえる。
DragonFly BSDにおける取り組みは実験的側面が強い。HAMMERファイルシステムはファイルシステム実装に新しい選択肢をもたらす意味で注目度が高い。FreeBSDはZFSをマージしているがライセンスの関係でバイナリとしては取り込めないという制限がある。また将来的にZFSがOpenSolarisやOpenJDKのようにGPLでの提供になるのではないかという見方もあり、BSDライセンスでの同レベルファイルシステムへの要求もある。HAMMERファイルシステムはその点でも注目される。
ほかのOSでは既存のFFS系ファイルシステムにジャーナリング機能を追加したものをデフォルトのファイルシステムとして採用する、またはその方向で検討していたり、FFS+Softupdatesの改善を続けたり、ZFSのように公開されているファイルシステムを移植したりといった取り組みがおこなわれている。HAMMERファイルシステムはそうした中、ニューフェースとして今後の開発や評価が注目される。