MySQLの創設者にして開発者であるMichael Widenius氏は16日(米国時間)、自身のブログにおいてMySQLユーザに対して開発者を支援してほしいと要望をあげている。次期MySQLの登場を目前に控えた状況にあるわけだが、最終リリースの行方はユーザの手に委ねられることになりそうだ。

次期MySQLのバージョンはMySQL 5.1だ。執筆現在、MySQL 5.1のリリースへ向けたRC (準備リリース)の状態にある。予定でいけばこのRCが最後のRCとなり、次のリリースでMySQL 5.1 GAとなり、正式リリースになるはずだった。しかし同氏はブログの中で、このままMySQL 5.1 GAとして正式リリースに持っていってもよいかMySQLユーザへ決定を助けて欲しいと説明している。

同氏を含む開発者としては、MySQL 5.0 GAをリリースするときに犯した過ちをもう一度繰り返したくないと考えているようだ。MySQL 5.1 GAを早い時期にリリースすることで同じ過ちを繰り返すことになるのではないか心配している。MySQLのGAリリースにあたっては、重大なバグが残っていてはならず、誤った結果を返すバグなど明らかに多くのユーザに影響を及ぼす問題を残したままにしていてはいけないことになっている。逆にいえばごく少数のユーザにだけ影響を及ぼすバグはあとからの修正でもいいということだ。

つまり、MySQL 5.1までに修正してほしいバグがある場合、もっと大きな声をあげてバグを主張してほしい、ということのようだ。発見したバグがMySQL Bugsに登録されていなければ登録を、すでに登録されてるバグならコメントの追加を、以前追加したが修正されていない場合には新規登録を実施してほしいとしている。次期リリースとなるMySQL 5.1の品質を左右するのはユーザからの積極的な問題報告に依存することになりそうだ。MySQL 5.1をより高いクオリティでのリリースとして希望する場合には、問題報告を通じてクオリティ向上を支援した方がいいだろう。