米Embarcadero Technologiesは15日、日本法人「エンバカデロ・テクノロジーズ」を合同会社として設立したことを発表した。

Embarcadero Technologiesは、データベース関連の開発/設計支援ツールを提供するベンダー。欧米を中心に活動を続けており、代表的な製品として「RapidSQL」や「ER/Studio」などがある。

米Embarcadero Technologies CEO、ウェイン・ウィリアムズ氏

同社は、今年5月に米Borland Softwareから開発ツール部門のCodeGearを買収。これを機に、従来から展開してきたデータベースツール群を「DatabaseGear」としてブランド化し、CodeGearブランドのアプリケーション開発ツール群と併せて販売/マーケティング活動を展開していくという。

米Embarcadero Technologies CEOのウェイン・ウィリアムズ氏は、同社およびCodeGearがともにプラットフォームに依存しない製品を提供してきたことを強調したうえで、「単一システム内でOS、データベース、言語等が複数利用されることが珍しくなくなってきた中、それらをトータルにサポートできるのはEmbarcadero Technologiesだけ」とコメント。技術の多様化に対応できる点を他社に対する最大の優位点として挙げた。

Embarcadero Technologies アジア太平洋地域 技術/営業担当シニアディレクター、マルコム・グローヴス氏

また、今後の事業展開について説明したEmbarcadero Technologies アジア太平洋地域 技術/営業担当シニアディレクターのマルコム・グローヴス氏は、DatabaseGearとCodeGearのテクノロジーを融合し、データベースツールとアプリケーション開発ツールをシームレスに連携させる予定があることを明かした。「例えば、プロファイリングの結果を見ながらアプリケーションプログラムからデータベースクエリに飛ぶこともできるようになるため、双方が複合的に絡んで発生する問題も速やかに原因を突き止め、修正することが可能」(グローヴス氏)と、システム全体にわたって利用できる開発支援ツールを提供することで開発作業の効率化を後押ししていく構えを見せた。

一方、エンバカデロ・テクノロジーズ 代表に就任した八重樫行男氏は、日本法人の短期目標として「Embarcaderoブランドの確立」「CodeGear製品の拡販の継続」「DatabaseGear製品のマーケット整備」の3点を掲げる。DatabaseGear製品については、以前からEmbarcadero Technologiesと国内代理店契約を結んでいた日揮情報ソフトウェアと協業してマーケティング活動を強化するほか、ローカライズ作業にも積極的に取り組むという。

エンバカデロ・テクノロジーズ 代表、八重樫行男氏

なお、米Embarcadero Technologiesは、日本法人設立に併せ、SQLのプロファイリング/チューニングを実現する新製品「DB Optimizer」も発表した。同ツールを用いると、CPU、I/O、待ち時間などを基に、パフォーマンスの悪化を招いているクエリーを検出することが可能。最適化を施し、ボトルネックを取り除くことができる。

DB Optimizerの英語版は本日より販売が開始され、北米での価格は1ライセンス当たり1500ドル。ただし、国内での提供は未定で、「準備ができ次第、発表する」(ウィリアムズ氏)という。